今回もTHE ESPORTS OBSERVERが公開している、Q3(7~9月)の期間で最も影響力や人気があったeスポーツタイトルのTierを紹介します。
【YouTube投稿】[2021年Q3]Apex LegendsとVALORANTが絶好調!?世界eスポーツ影響力ランキング(PC版)
前回(2021年Q2)のTier
情報・分析ソース
情報
- Twitch
- Esports Earning
- The Esports Observer
分析
- The Esports Observer
- newzoo
指標
「The Esports Observer」では、以下の6つの指標で重み付けをしてTier(ランキング)を作成されています。
- 月間アクティブPCプレイヤー数: 30%
- 賞金額: 25%
- eスポーツ配信の視聴時間: 20%
- ゲーム動画の視聴時間: 15%
- ライブ配信数: 5%
- 大会数: 5%
Tier3
15位 FIFA21
⇩14位
「FIFAe World Cup 2021」や「FIFAe Nations Cup 2021」などの大会開催とTwitchでの視聴者数増加がこの順位の確保に繋がっています。また新作のFIFA22はそれ以上に視聴者数が増加していることから、FIFAシリーズはQ4で順位を上げるかもしれません。
14位 StarCraft II
⇧ランク外
アクティブユーザー数は少ないですが、活発なeスポーツの大会開催やその視聴者数によって、再びランクインするに至りました。
13位 Hearthstone
⇧15位
Twitchでの視聴者数の増加によって今回は順位を上げることができました。一方で大きな大会開催が少なかったので、伸びは13位に留まる形となりました。
12位 PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(PUBG)
⇧13位 ⇩Tier2
前回の13位からは順位が上がったものの未だ伸び悩んでいる印象です。Q1に行われた「PUBG Global Invitational 2021」以降は世界的に徐々に盛り上がりは薄れていっています。特に最近の日本では大手チームや有名選手が撤退や引退をするケースが増えてきています。
個人的にとても好きなタイトルなので凄く残念です。今行っている有名ストリーマーを使った盛り上げなどを起点に再燃するのを期待しています。
Tier2
11位 Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
⇩7位
今年は「Six Invitational」がQ2に開催されその影響で前回は大きく順位を上げたので、Q3は大きく順位を落とすことになりました。コロナウイルスの対策に苦戦していた去年と比べて、今年は世界大会をオフラインで行えているので、eスポーツの大会に関しては順調だと思います。ただ、新規プレイヤー数や大会以外の視聴者数が減少傾向にあるという課題は抱えています。
10位 Call of Duty Black Ops Cold War
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同タイトルのメイン大会である「Call of Duty League」がQ1~Q3にかけて開催されていました。その影響でこの結果となっています。この順位に留まった背景としては、Activision BlizzardがYouTubeと大会配信の独占契約を結んでいるので、Twitchの視聴者数が指標になるこのTierでは評価されにくくなっています。ですので、順位以上の盛り上がりは想定して問題ないでしょう。
9位 Rocket League
⇩8位
Q3は大きな大会が開かれなかったことにより、順位を下げる結果になりました。ただ、今回順位を大きく下げなかった要因としてはユーザー数の多さが起因しています。昨年の基本無料化の戦略が功を奏したといえるでしょう。
8位 Overwatch
⇧11位
同タイトルのメイン大会である「Overwatch League」がQ2~Q3にかけて開催されていました。 この影響で順位を大きく上げることができました。ですが、 Call of Duty Black Ops Cold Warと同様にActivision BlizzardとYouTubeの独占配信契約によって、Twitchでは多くの人を集められなかったので、視聴者数は少ない方でした。
7位 Dota2
⇩3位 Tier1
このタイトルは大会賞金の多さによって、ランキング上位に入ってくるのが特徴です。ですので、大会開催数が少ないと順位を下げることに繋がってしまう傾向にあります。しかし、Q4では全eスポーツで最高賞金額を誇る「The International」が開催されるので、大きく順位を上げることが予想されます。
6位 Apex Legends
⇧9位
Q3で最も大きな変化があったのはこのタイトルでしょう。オフシーズンでありながら、視聴者数が激増した結果、ランクを上げることに成功しました。主に日本での人気が強かったタイトルですが、Q3以降は膨らんでいく数字に目を付けた海外配信者も多く参入してきたので、世界的に多く視聴されるようになりました。Q4は公式の大会も控えているので、どれだけランキングを伸ばせるかは注目です。
オフラインの世界大会を見てみたいですね。
5位 Fortnite
⇩6位
オンラインの大会開催や高水準で安定している視聴者数によって、一つ順位を落としたものの高順位に位置することができました。ただ、一つ気がかりなのは秋口にかけて少しずつ視聴者数が減ってきていることです。
4位 Call of Duty: Warzone
- ⇩Tier1
eスポーツとしての動きは活発でありませんが、Twitchでの視聴者数の多さによってこの順位をキープするに至りました。しかし、Fortnite同様に徐々に視聴者数が落ちてきているので、Q4で大きく順位を下げることも考えられます。
Tier1
3位 VALORANT
⇧5位
eスポーツを想定して作られたタイトルなだけあって、大会開催の頻度や整備が迅速で行き届いている印象です。そんな大会配信だけでなく、人気と勢いによって平時の配信の視聴者数も上昇傾向にあります。Q4には過去最大規模の世界大会も予定されているので、今後も好調だと考えられます。
2位 Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)
-
平時の配信は徐々に勢いが無くなってきていますが、欧州を中心に大会配信の盛り上がりはeスポーツの中でもトップクラスのものを持っています。また、大会開催も大小問わず頻繁に行われているので、この順位をキープできています。ですが、欧州以外の地域ではゲーム性が類似しているVALORANTの方が人気になってきているので、今後どの様になっていくのかは要注目です。
1位 League of Legends
-
大会開催数・規模、アクティブユーザー数、視聴者数のどれを取ってもトップクラスであったので、今回も首位を譲ることはありませんでした。また、Q4は毎年Twitch全体でもトップクラスの視聴者数を記録する「World Championship」が開催されるので、牙城を崩すのは難しいでしょう。
2021年Q3のTier・順位
Q4の予想
「League of Legends」のトップはほとんど間違いないと思われます。
基本的にLeague of Legendsを除けば、eスポーツタイトルがQ4に大型の大会が開かれることは稀でした。しかし、コロナウイルスの影響や個々の会社の思惑によって、今年は非常に多くのタイトルがQ4に大会開催を予定しています。ですので、Q4はTierの変動が激しくなるかもしれません。
eスポーツにおける力関係が明確に分かる機会かもしれませんね