[過酷]将来の不安も…健康を蝕むプロゲーマー・ストリーマー(配信者)の生活実態に迫る!

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「ゲームをプレイして、金を稼ぐこと」は、その字面の数百倍過酷である。

今回は「esports」や「ストリーマー(配信者)」の生活を特集する。特に「生活の実態」と「リスク」に焦点を当て、求められる「対策」を考察する。

【YouTube】ゲームでお金を稼ぐって超過酷!?プロゲーマーやストリーマーの生活実態とは!?

はじめに

最近「esports」や「ストリーマー(配信者)」といった職業が注目され始めている。

その中で、あまり理解のない人々は

「ゲームをやるだけでお金を貰えるなんて楽な仕事だな。」

「リアルなスポーツよりもずっと楽じゃないか。」

と思うだろう。

だが、実際は危険と隣り合わせの過酷な世界なのだ。

先日、「League of Legends」の有名プロプレイヤー「Uzi選手」が引退した。その理由は、「右腕の故障」と生活習慣病の「Ⅱ型糖尿病」である。

eSports legend Jian 'Uzi' Zihao retires citing stress, obesity, diabetes, hand injury
Elite eSports player Jian Zihao announced his abrupt retirement Wednesday as a result of several health problems includi...

また、日本で成功している数少ないストリーマーである「shaka(釈迦)」は、配信中に気を失った。

今回はそんな「esports」や「ストリーマー(配信者)」の生活を特集する。特に「活動時間の実態」「リスク」に焦点を当て、求められる「対策」を考察する。

プロゲーマーの生活

練習

esports

多くのプレイヤーの発言では、平均8~9時間のチーム練習とウォーミングアップを含めた数時間の自主練習という例が多い。中には一日12~14時間という例もある。

リアルスポーツの平均練習時間が2~3時間であることを考えるとかなりハードであることが伺える。

「でも、座ってゲームしているだけじゃん」と感じる人も多いだろう。

冷静に考えて欲しい。8時間のデスクワークですら、社会人にとっては腰、首、目に疲労感が溜まる。

これを極度の緊張状態の中、高速&精確なタイピングとマウス操作が求められるとしたら、かなりハードではないか?

そして更に選手活動だけで生計を立てられない場合、別な仕事と掛け持ちすることになる。つまり、8時間の労働の後に練習が始まるのだ。

レインボーシックスシージで活躍しているDarkZero Esports所属「HotanCold選手」のプロゲーマーとしてのインタビュー記事

Inside an esports athlete’s life: 9-hour practices 6 days a week, tournaments, living in a team house | WRAL TechWire
Matthew Stevens, 21, from southern California, is a member of the five-player team, Dark Zero Esports, the only American...

リアルスポーツには「オフシーズン」があるが、esportsは24時間365日だ。

では、何故それ程にまで練習時間が多いのか?

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実戦練習がほとんど

一つは、ほとんど練習が試合を通じて行われるからである。

サッカーにおけるセットプレイの練習やシュート練習の様に練習したい箇所を切り取ることができないのだ。逆にリアルスポーツでは実戦練習をする頻度は少ない。

esportsにおいては、濃い練習をする為には、自ずと試合を多くこなさなくてはならない。現esportsタイトルの1試合の時間は平均的には30分、長い場合だと1時間かかる。これで長い練習時間にも納得ができるだろう。

ゲームの仕様がすぐ変わる

二つ目は、ゲームの仕様がアップデートなどで頻繁に変わることだ。そうした新環境に対応する為には、短期間で長時間の練習が求められるのだ。

リアルスポーツにおいては、戦術の変化はあっても仕様の変化はない。サッカーの例でいえば、「明日からシューズはスパイクから下駄に変わります。」みたいなモノだ。

戦術や技術の向上の他に、環境の適応の時間が必要になってくる。

プロゲーマーの負うリスクとは?

健康状態

上記の様に、身体的にも精神的にも過酷な状況下では健康状態にも異常をきたすことが多い。その影響で選手生命が絶たれる例も少なくない。

特に手首、肘、腰を負傷する場合が多い。

その原因は、身体の酷使ストレス運動不足が主だ。

固定された姿勢と単調な動作がこれらの原因を生んでいる。現在、運動不足に関して改善の兆しが見える。

esportsで起こりうる怪我や病気に関しては別の記事で詳しく触れる

esportsの怪我-最も一般的な症状 | esportwissen.de

https://www.esportwissen.de/en/verletzungen-im-esport-die-haeufigsten-beschwerden/

多くのプロesportsプレーヤーは、ゲームのトレーニングに加え、毎日身体的なトレーニングをしている。

選手生命の短さ

Gamers’ Plight: Why So Many Esports Players Retire by 25 — and What Comes Next
With the average career lasting just four to five years, e-sports stars must find new ways to make ends meet. As one ins...

平均的な選手生命は4〜5年しかないため、他の収益源を探しておく必要がある。ある関係者はこう警告している。「ピークに達したら、もう手遅れだ」

平均的esportsプレイヤーの適齢期は10代後半~20代後半と言われている。(もちろんそれ以上でも活躍するプレイヤーはいる。)

一般的には、反射神経の衰え身体の故障がイメージされるが、意外と「燃え尽き症候群」で引退する場合が多い。あまりにも短期間に熱を注ぎ込みすぎてしまうからだろう。

事実、海外選手の引退声明では「楽しんでプレイすることが出来なくなった。」というケースが散見される。

他にも、自分が熱心に打ち込んでいるタイトルがサービス終了となる可能性も十分にある。

かなり不安定な状態なのだ。

選手引退後の未来

残念ながら、プロゲーマーの肩書に汎用性はない。

進路と言えば、ストリーマーになるか、キャスターになるか、コーチやチーム運営に回るかだ。だがこうしたポジションも窓口が狭く、プレイヤーとは異なる素質が求められるものが多い。

また、現役時の稼ぎだけで、残りの人生を逃げ切れる程の稼ぎを得ている人は、限りなく0に近い。

結果、ゲームとは離れた職業に就くこととなる。

10代の真っ直ぐな若さに求めるのは難しいが、リスクを考え、ゲームだけでなく勉学などの別な道にも可能性を残す選択をする必要があるのだ。

現状の引退後の先の見えなさを論じる記事

Just a moment...

プレイヤーは引退後に、マネージャー、コーチ、または専門家になれるとは限らない。

プレイヤーには、自分の価値を理解し、自分の将来について考え、自分に投資してほしい。

対策

adventure

心身のケア

選手自身は勿論のことだが、プロチーム側も「心身の管理とケア」に力を入れるべきだ。

既に海外のプロチームでは、食事の管理やワークアウトの時間や器具を設けるなどの試みを行っている。

また、軽い運動がesportsのパフォーマンスに良い影響を与えるというデータもある。

https://www.acer.com/ac/en/US/content/training-room-importance-of-exercise

エクササイズは「持久力の向上」「ストレスに対処する能力の向上」「認知機能の向上」を促し、選手のプレイをより高いレベルに引き上げる。

次のキャリア

これに関しては、まだまだ課題が山積みだ。

引退後、彼らのスキルを活かして働ける場所を作る必要もあるが、選手一人一人もゲームではない選択肢を潰さないように意識する必要は大いに感じる。

ストリーマーの生活

Streamer beautiful girl shows heart sign with hands professional gamer playing online games computer, neon color

活動

ストリーマーや配信者の存在が大きくなりつつある今、そこに一獲千金の夢を見る人も増えたのではないか?

ゲーミングストリーマーの月収は? 驚きの金額をさらっと暴露! | エンタメMBS | MBSコラム
「毎日ゲームをして暮らしたいなぁ」と思ったことはあるだろうか? しかしただのゲーマーでは生活が立ち行かない。11月8日(木)の深夜に放送されたe-sportsに特化した番組「YUBIWAZA」(MBS)では、人気プロゲーミングストリーマー集...

しかし、こちらも過酷な環境だ。

過酷な超長時間労働

100時間越えの配信者が多々おり、先日配信中に気を失った「shaka」は350時間弱だ。なんと一日10時間以上配信していることになる。更にこれは「ゲーム配信」に限った時間であり、「雑談」などの非ゲームの配信は含まれていない。

世界最長配信時間の記録を持つAndrew “GiantWaffle” Bodineは、月に572時間配信していた。一日19時間配信していることになる。

1カ月に572時間以上ゲームを配信したストリーマーが記録を更新!
早く休め

だが、それでも活動時間の全てではない。

「YouTube」などの場合には、自ら編集作業を行っているのならその時間が別途必要となる。

戦略的に行っている者は、SNS運営やリサーチなどにも時間をかける必要があるだろう。

他にも「案件」も引き受けているかもしれない。

正直、好きでもなく金儲けを狙ってやるなら、心身共に不可能な領域になっている。

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ストリーミングは私の人生を奪った。ガールフレンドも、友達も、何もかも。

容易に減らせない配信時間

「確実に配信時間を減らした方がいい」と誰でも思うだろう。

だが、長時間配信者は「配信を長時間かつ高頻度ですることでやっと登録者、再生数、サブスクリプションなど収益源を豊かにすることが出来る。」という。

実際に長時間配信はある程度有効なのだ。

この現状は確かに異常だ。

だが、私達はむやみに止めろとは言えない。

何故なら、彼等の人生を背負うことも出来なければ、ましてや彼らのエンターテイメントを享受する立場にあるからだ。

ならば「配信外の時間をいかに改善するか」に目を向けるべきだと感じる。

ストリーマーのリスクとは?

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健康問題(身体)

プロゲーマー程、手首や肘が故障するケースは少ないが、腰痛や運動不足には悩まされる。

プロゲーマーとの決定的な違いは、喉など声帯に関するダメージだ。「しゃべり」がより重要だからだ。

また配信者の「キャラクター性」も求められるので、アルコールやエナジードリンクでテンションを過剰に上げる例も多々見受けられる。これを続けて身体に悪影響が出ない方がおかしい。

生活習慣病まっしぐらである。

実際の海外ストリーマーの体の不調

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Streamers often play games for hours at a time, and are incentivised not to take breaks. Now, some are preaching a healt...

プロのストリーマーは、8時間デスクに座っているオフィスワーカーと同じ問題を抱える傾向がある。またロッククライマーやミュージシャンと同様に反復運動で手や手首に多くの負担をかけている。

トイレに行ったり、食事をしたり、水を飲んだり、ほとんどの人が定期的に行うことをストリーマーは避ける。休憩すると視聴者数が減るからだ。

健康問題(精神)

https://news.yahoo.co.jp/byline/abekasumi/20190627-00131773/

配信の醍醐味は、コメントでの会話だろう。

基本的には、好意的なコメントがほとんどだが、中には心無いコメントを浴びせてくる輩もいる。

こういったモノに意識を奪われると、他人の評価ばかりを気にしてしまい、精神的にも病んでいく。更にSNS常用者だと病みは加速する。

また、配信上でキャラクターを過度に作ってしまう場合には、大勢が評価する配信上の自分と現実の自分との間にギャップを感じ、孤独を感じてしまうケースもある。

あくまでも配信は「生業」であるが、大きく人生を左右させてしまう可能性がある。

対策

配信者がチームや企業に所属する場合、極力配信以外の作業は組織内で分担する仕組みを作る必要があると感じる。

もちろんお金が掛かることなので、多少無責任かもしれないが、作業量の多さで配信者がパンクするよりは効率的だと考える。

また上記の場合、チームや企業による定期的な「心身の検査やケア」も必要だと感じる。

終わりに

現在中国では、esportsチームが積極的に選手の心身のケアを行っている。

https://esportsobserver.com/edg-health-management-center/

中国のeスポーツ組織であるEdward Gaming (EDG)は、esports選手専用の健康管理センターを設立したと発表。

私は先進的な「中国」と発展途上な「日本」との差は「esportsへの意識」にあると感じている。

完全にesports選手が職業になった中国に対して、まだ日本の認識が趣味の延長線上を抜け出せていないからだ。

専業としてesportsや配信に臨んでいる人間が多数いる以上、それは職業であるべきで、故にサポートも必須である。

そうすることで、健全なチームや企業である印象も生まれ、選手や配信者の意識も変わっていくように感じる。

我々もそんなesportsの環境づくりに貢献していきたい。

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