今回はThe Esports Observerが発表している、世界のPC対応eスポーツタイトルの影響力ランキングを紹介していきます。対象期間は2021年の1月~3月のQ1期間です。現在のeスポーツのパワーバランスの参考にしていただければ幸いです。
【YouTube】【2021年1月~3月】世界で影響力が強かったeスポーツランキングTOP15!!
【参考】前回(2020年Q3)のTier
情報・分析ソース
情報
- Twitch
- Esports Earning
- The Esports Observer
分析
- The Esports Observer
- newzoo
指標
「The Esports Observer」では、以下の6つの指標で重み付けをしてTier(ランキング)を作成している。
- 月間アクティブPCプレイヤー数: 30%
- 賞金額: 25%
- eスポーツ配信の視聴時間: 20%
- ゲーム動画の視聴時間: 15%
- ライブ配信数: 5%
- 大会数: 5%
Tier3
15位 SMITE
⇧ランク外
今回はランク外からのランクインになっています。
このタイトルはランキング内外をよく出入りしているタイトルです。今回のランクインの要因は、固定的な視聴者数がランク外のタイトルよりも多かったことが挙げられています。また、この時期はeスポーツの大会がオフシーズンになっていることが多いので、他タイトルが大会をあまり開催していなかったのも順位の上昇の要因となっています。Q2以降はeスポーツの動きも本格化してくるので、ランキングに留まることが出来るかは微妙です。
14位 Hearthstone
⇩10位 Tier2
今回は前回から4つ順位を落としています。
この要因は明確です。Hearthstoneでは例年Q1に大きな大会が開催されないことにあります。それでもランクインしているのは、世界的なプレイヤー数が多い点にあります。
13位 FIFA21
⇧ランク外
こちらもランク外からのランクインとなっています。FIFAシリーズは基本的にコンソールで人気のタイトルなので、PCゲームのランキングで見るのは珍しいです。そんなFIFA21がランクインした主な要因は、特に今作では平均的な視聴者が多いことと大会も盛り上がっていることにあります。
ここまでがTier3です。大会開催の有無も重要ですが、Tier3に入ったタイトルを見ると、Twitchでの視聴者数が比較的多いことも重要であることが分かります。
Tier2
12位 Overwatch
⇩8位
今回は前回から4つ順位を落としています。
こちらもQ1期間はオフシーズンであったことによって、大会開催が少なかったことがランクダウンの主な要因です。それに伴って視聴者数も少なくなっていたことが拍車をかけています。ただ、Q1以外の期間でも徐々に視聴者数が減ってきているので、ランク外に落ちる可能性をあります。
11位 Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
⇧13位 Tier3
今回は前回から2つ順位を上げています。しかし、あまりいい流れではありません。例年2月に開催されていた世界大会であるSix Invitationsも今年は5月に延期となり、スタープレイヤー達も続々と引退しているからです。それでもSix Invitationsは5月に開催できているので、Q2は大きくランクを上げることが予想されます。
10位 World of Warcraft
⇧15位 Tier3
なんと前回から5つも順位をあげています。昨年の大型アップデート以降、平均的視聴者数も増加しており、大会開催も順調に行えています。コロナショックの影響で不安定なeスポーツ市場の中でも急成長を遂げている珍しい例です。
9位 Apex Legends
⇩7位
今回は前回から2つ順位を落としています。
日本でのプレイヤー人口や視聴者数は非常に多いですが、その他の地域ではあまり奮っていないのが影響していると考えられます。ただ一番大きな要因としては、公式が主催するような大型のeスポーツ大会がほとんど開かれていないことにあると思います。あったとしても他タイトルと比べると盛り上がりに欠けていると感じます。今後予定されているカスタムマッチの一般化によって、カジュアル大会などがどこまで盛り上がるのかもキーになってきそうですね。
8位 DOTA2
⇩5位
今回は前回から3つ順位を落としています。
この指標の一つである「賞金額」で大きな影響力を持つDOTA2ですが、コロナショックの影響で世界大会が行えないことが大きく響いています。それでも平均的な視聴者数の高さで粘っている印象です。
7位 Rocket League
⇧11位 Tier3
今回は前回から4つも順位を上げています。
コロナショックとの対応に苦戦していましたが、欧米の公式大会が盛り上がりを取り戻しつつあるので今回はランクアップしています。ただ、気になるのは大会以外での視聴者数が低迷していることです。オフシーズンなどでは順位を大きく落とすことが考えられます。
6位 VALORANT
⇩4位
今回は前回から2つ順位を落としています。
大会開催の盛り上がりや頻度、そして視聴者数ではトップクラスではあるものの、最初期程の爆発力は感じられません。同様なゲーム性を持つCS;GO、Overwatch、Rainbow Six Siegeなども未だに人気があるので、そこまでパイを拡大出来ていないことが大きな原因と考えられます。ですが、公式大会の整備が迅速なので、eスポーツが本格的になるQ2以降では再び上昇すると考えられます。
5位 PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS
⇧9位
今回は前回から4つ順位を上げています。
久しぶりの世界大会がQ1の期間に開催されていたので、今回は大きくランクアップしました。プレイヤー数や平時の視聴者数は少ない方ですが、eスポーツとしてはかなり健闘しているといえます。ただ世界大会後、数多くの有名プレイヤーが引退しており、また今後の運営の指針に納得していない者も多いので、今後はランクを落とすことも考えられます。
4位 Call of Duty Modern Warfare
⇩2位 Tier1
今回は前回から2つ順位を下げていますが今後も好調だと思います。特にTwitchでの視聴者数は多くトップクラスなのがこのタイトルの強い所です。大会開催時期以外でも非常に人気でもあります。今期もeスポーツ大会は無事に開催できているのでQ2以降も楽しみな存在です。
ここまでがTier2です。Tier2に入るレベルの大会になると基本的に視聴者数は多いです。ですので、更に上に行くにはeスポーツ大会も積極的に盛り上げる必要があることが分かります。
Tier1
3位 Fortnite
⇧4位 Tier2
今回は前回から1つ順位を上げています。コロナショックの影響でeスポーツとしては、世界大会をはじめ、大会開催数が減っているなど苦戦しているイメージ強いです。ですが、賞金額や視聴者数が全体的に高かったので、今回は順位が上がる結果となりました。
2位 CS:GO
⇧3位 Tier2
今回は前回から1つ順位を上げています。昨年はコロナショックだけではなく、同様のゲーム性を持つVALORANTの登場など非常に危機的な状況でしたが、欧米を中心とした根強い人気によって大会も徐々に盛り上がりを取り戻してきています。今回は例年よりも大型大会を早く開催したことも順位に繋がっていると考えられます。ただ、人気の規模が全世界的なLeague of Legendsに比べて、閉鎖的なのが少し残念な点ですね。
1位 League of Legends
ー
今回も前回と変わらず不動の1位となっています。
大会開催数と頻度、視聴者数、人気の規模の何処をとっても死角はない状況なので、当然の1位といえます。今後は世界大会に向けてどんどんと盛り上がっていくので、他タイトルが1位を奪取出来ることは相当難しいと感じます。
この3タイトルがTier1のタイトルになります。特に上位2つはeスポーツとして非常に盛り上がっているので納得の結果だったと思います。
2021年 Q1のTier・順位
Q2の予想
次にQ2の予測をしていきたいと思います。
5月末~6月中旬にかけては、多くのタイトルで国際大会が予定されています。ここを如何に盛り上げられるかが鍵になってきます。特に大会開催に苦戦しているRainbow Six SiegeやApex Legends、初の大型大会となるVALORANTは注目です。逆を言えば、4月~6月に大規模な大会を開催できないタイトルは大きく順位を落とすと予想されます。