アメリカで起きた「黒人差別問題」は、ゲーム業界へも大きな影響を与えている。
今回は、「黒人差別問題」のゲームへの影響と、それに対するゲーム会社、プロesportsチーム、ストリーマーの対応を特集する。
はじめに
コロナウイルスと言う未曽有の天災の次に、我々には「人災」が降りかかった。
ことゲーム業界に限れば、世界を揺るがした前者よりも、後者の影響を大きく受けている。
ゲームの本質である「エンターテイメント性」も、我々自身が引き起こした人災の中では、素直に楽しむことが出来なくなってしまうからだ。
今回はそんな「黒人差別問題」のゲームへの影響と、それに対するゲーム会社、プロesportsチーム、ストリーマーの対応を特集する。
事の発端は・・・
2020年5月25日、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで事は起こった。
偽札使用の容疑で通報されたアフリカ系の男性が、警察の過剰な拘束により命を落とした。
こうしたアフリカ系の人々に対する、警官の過剰な抑圧はこの件以外でも頻繁に起こっていた。
いつも最後は警察が軽い罪で許され、政府は誠実な対応をしてこなかった。
そして、積もり積もった怒りはこの機に爆発し、国境を越えた大規模な「黒人差別問題」へと変化していった。
ゲーム関連
「ゲーム会社」は自社のイベントの「延期」する決断を下した。
この延期は、社員や関係者の精神的疲労の回復を意味すると同時に、「差別」への抵抗の意味合いを持っている。
EA(Electronic Arts)&valve
EAの「EA PLAY live 2020」とValveの「The Steam Game Festival: Summer Edition」と言った両社の最新情報発表会が1週間延期された。EAは6月19日、Valveは6月17日となっている。
特にEAは事態を重く受け止めている。
Activision Blizzard
Activision Blizzardは、人気シリーズである「Call of Duty」のModern Warfare、Warzone、Call of Duty:Mobileの3つの作品における新シーズンの配信を延期した。延期がどのくらい続くのかは発表されていない。
Epic Games
Epic Gamesは、人気タイトル「Fortnite」の新シーズンの配信を一週間延期し、6月17日とした。
SONY
SONYは、「PlayStation 5」の最新情報発表を一週間延期した。6月12日午前5時に発表される予定である。
筆者のコメント
今回の「延期」は差別への抗議なのだ。
本来進行するはずであったイベントの延期は、図らずとも、常に問題を風化させていった「日常」の停止の役割を果たした。
確かに一週間の延期は、それほど長い時間ではない。
それでも「差別」という字面を追うだけでなく、「意味」を自分自身の頭で考えるのには十分な時間だ。
「エンターテイメント」は万人のモノだ。だからこそ、皆が楽しめる様に我々はこうした問題にも向き合う必要があるのだ。
esports関連
「esports」においても、多くのチームやストリーマーが差別への抗議の旨を発表している。
プロチーム
- 100 Thieves,
- Cloud9,
- Dignitas,
- Evil Geniuses,
- FlyQuest,
- Golden Guardians,
- Immortals,
- Team Liquid,
- Team SoloMid.
- Gen.G Esports,
- Panda Global,
- Spacestation Gaming,
- eUnited,
- Rogue,
- FaZe Clan,
- NRG Esports.
- Minnesota R0KKR
※各チーム名をクリックすれば、各チームの声明を見ることができる。
プロ選手&ストリーマー
- Juan“ Hungrybox” Debiedma
- Eric“ ESAM” Lew、
- Joedat“ Voyboy” Esfahani、
- Ben“ Dr Lupo” Lupo、
- Tim“ Timthetatman” Betar、
- Tyler“ Ninja” Blevins
※各プレイヤー名をクリックすれば、各プレイヤーの声明を見ることができる。
参考記事
終わりに
いつもの様に喉元過ぎれば熱さを忘れるのではなく、しっかりと自分の頭で考えて、この「黒人差別問題」と向き合おう。
そして皆でゲームをしよう。
ゲームは、人種、国籍、年齢関係なく遊べるエンターテイメントなのだから。