今回は「Mixer」閉鎖のアナウンスを受けて、大手ライブ配信プラットフォーム(Twitch、YouTube、Facebook Gaming、Mixer)の最近の状況を特集する。
Mixer
Mixer(ミクサー)は、Microsoftが所有するライブ配信プラットフォームである。2016年1月5日にBeamとしてサービスを開始し、2017年5月にMixerへと名称を変更した。インタラクティブ性に重点を置いており、ライブストリーミング配信の遅延時間が短い。
コロナショックの恩恵を大きく受けたライブ配信プラットフォーム業界の中でも、唯一総再生数や平均同時視聴者数を落としている。
1年間のデータでも、「Ninja」と「shroud」の獲得があったが、再生時間の成長率はわずか0.2%に留まった。
その結果、今回のサービス終了に繋がった。
Facebook Gaming
「Facebook Gaming」とは、文字通り「Facebook」が運営するライブ配信プラットフォームだ。2018年「Facebook」の一つのサービスとして登場し、2019年には専用のモバイルアプリも作られている。
「PUBG Mobile」、「Free Fire(スマホ版バトルロワイアル)」、「Mobile Legends(スマホ版MOBA)」などモバイルタイトルの配信が人気となっている。
基本的にPCゲームやコンシューマーゲームがメインだった「元Mixer配信者」にとっては、少し移行しにくい環境のように感じる。
東南アジアを筆頭にアジア圏で多く利用されている。
総再生時間や平均同時視聴者数はコロナショックの恩恵も受け、大きく伸ばしている。
2019~2020年の成長率、コロナショック時の成長率の両方で群を抜いている。
Twitch
Twitchは、Amazonが提供するライブ配信プラットフォームである。
2011年6月に総合的なライブストリーミング配信サイト 「Justin.tv」 から、ゲームに特化したプラットフォームとして派生して立ち上げられた。運営はサイト名と同名の組織が行っていたが、2014年8月、AmazonがTwitchを買収したことを正式に発表。それに関連して、Justin.tv の運営企業は Twitch に特化するため Twitch Interactive に社名を変更、2014年8月には Justin.tv は閉鎖された。
2020年Q1の時点では、「Twitch」が圧倒的である。
YouTubeの方が慣れ親しんでいる我々にとっては少し意外に映るかもしれない。
2020年4月7日の「Valorant」β版リリースの際には、「Twirch」史上最高視聴者数である1,726,074人を記録した。
2020年Q1は、コロナショックの恩恵と「VALORANT」バブルの影響で大きく伸ばしている。
また、「Esports」のカテゴリーが出来た為、非常に大会を追いやすくなった。
YouTube (元YouTube Gaming)
YouTubeは、カリフォルニア州サンブルーノに本社を置くアメリカのオンライン動画共有プラットフォーム。PayPalの 元従業員(Chad Hurley、Steve Chen、Jawed Karim)が、2005年2月にこのサービスを作った。2006年11月には、「Google」が16.5億米ドルでサイトを購入した。現在YouTubeは、Googleの子会社の 1つとして運営されている。
2020年1月24日には「Activision Blizzard」タイトル(Over Watch、Call of Dutyシリーズ、Hearthstoneなど)の公式esports大会の独占ライブ実況権を獲得した。それでもコロナウイルスの影響によって、多数の大会が中止・延期になっているので、想定よりも恩恵を受けられていない。
「ゲーム」カテゴリーの構成は「Twitch」に近い画面構成となり、タイトルごとに分けられている。
上昇傾向にはある。
コロナショック時期の成長率が「Mixer」よりも悪いのが少し気になる。
終わりに
こうしたプラットフォームの動向は、ゲームやesportsにも深く関わってくる。今後も要注目だ。