Discordの画面共有を使って、eスポーツやゲームの大会配信をする方法を紹介する。必要な手順と注意事項の2つの観点でまとめてみた。
はじめに
eスポーツやゲームの大会配信をコストをかけず簡単に行いたい。多くの人がそう思うはずだ。
そんな時にはDiscordが役に立つ。Discordの画面共有を使えば、ある程度の大会配信ができるからだ。
しかしこれには問題点がいくつか存在するので、手順と注意事項を踏まえてつつ紹介する。
手順
まずは簡単に手順を説明する。
サーバーを立てる
サーバー作成の手順は次の通りだ。
- 左側の「+」を選択する
- 「オリジナル作成」を選択する
- 「クラブやコミュニティのため」を選択する
- サーバー名をつける
- 「新規作成」を選択
ロールの作成
ロールを作成し割り振ることで、参加者は自身が参加するマッチのみ画面を共有できる。配信者も管理しやすい。
ロール作成の手順
ロール作成の手順は次の通りだ。
- サーバー名の横の「下矢印」を選択
- 「サーバー設定」を選択
- 「ロール」を選択し新規作成する。
- 必要なカテゴリーと同じだけ、ロールを作成する。
▼ロールの色はカテゴリーと合わせた方がよい
ロールに設定した方が良い権限
- チャンネルを見る
- メッセージを送信
- 接続
- 発言
- 動画
- 音声検出
荒らし対策に「ニックネームの変更」「招待」は不可能にした方がよい。
カテゴリーの作成
手順は次の通りだ。
- チャンネルが並んでいる部分を右クリック
- 「カテゴリー作成」を選択
- 「プライベートカテゴリー」をON
- カテゴリーに対応するロールを選択
- 複数マッチを検討している場合は、その分作成する
チャンネルの作成
手順は次の通りだ。
- カテゴリーの右の「+」を選択
- ボイスチャンネルを選択
- 分かりやすいチャンネル名にする
- プライベートチャンネルをON
- 該当するロールのみ選択
※必要であれば、カテゴリー内に別のチャンネルを作っても問題ない
エントリーフォームを作る
Googleフォームで作るのが一般的だ。
注意点
・Discordのダウンロードが必須であることを記載する。
・大会参加時はDiscordでゲーム画面を共有しなければならないことを記載する。
・参加希望のマッチを選択する項目を作る。
参加者にロールを付与するために必要。
・DiscordのサーバーURLを参加者に自動返信するスクリプトを作る。
⇩このサイトが参考になる
参加者にロールの付与
サーバーに入ってきた参加者にロールを付与する。参加するマッチのロールのみ付与すること。
手順は次の通りだ。
- サーバーに参加したプレイヤーを選択
- ロールの部分を選択し、適切なロールを割り振る
ボイスチャンネルに参加してもらう
大会当日は参加者にゲーム画面を共有してもらう必要がある。
手順は次の通りだ。
画面共有(参加者側)
- 自分が参加するマッチのボイスチャンネルに参加する
- 「画面」というボタンを選択する
- 大会で使うゲームタイトルを選択し、「Go Live」を押す
画面共有(配信者側)
- 配信に映したいマッチのボイスチャンネルに参加する
- 映したいプレイヤーを選択する
- 配信を見るを選択する
- 【重要】別のウィンドウにポップアウトする
これをやらないとDiscordのサーバーの画面が配信に映ってしまう可能性がある - ポップアウトしたウィンドウを拡大する
OBSの操作
配信する際は、配信ソフトが必要である。
その中でも今回は一番馴染みがある「OBS」を使って説明する。手順は以下の通りだ。
- ソースでウィンドウキャプチャーを選択する
- 「[Discord.exe]:部屋名」のウィンドウを選択する
音声入力は「デスクトップ音声」を使用する。
注意事項
問題点
紹介したDiscordの画面共有でも大会配信は可能であるが、様々な問題があることに留意した方がよい。
- 1人ずつしかプレイ画面を見ることができないので、撮れ高のある画面に切り替えるのが難しい
- 参加者がゲーム画面を共有できる人(実質PCゲーマー)に限られる
- 参加者が事前にDiscordの使い方を知っている必要がある
- 参加者の不適切な映像や発言が配信に乗る可能性がある
- 無料版だとDiscordの画質が720p 30fpsとなり、画質が悪い
- DiscordとOBSに慣れていないと、配信画面の切り替えでもたつく
特に1番目の切り替え問題は深刻だ。スイッチャー機能としてはあまり役割を果たしていないといえる。また、参加者に求める技術的ハードルは高い。
切り替え問題の解決策
この問題を解消するためには協力者が1人必要だ。
その人の役割は共有されているゲーム画面の中で、最適な映像を映しているプレイヤーの名前を配信者に教えることだ。
こうすると配信者は誰を映せばいいのか分かるので、スムーズに最適な画面を配信できる。
よほど早い試合展開でなければ問題にならないかもしれないが、協力者と配信者間の伝達で切り替えにラグが発生してしまうことには注意が必要だ。それでも自分1人でしらみつぶしに撮れ高の高い動画を探すよりは効率的だ。
終わりに
今回紹介した方法は必要機材は少なく、コストも抑えることができる。
ただ、多くの問題点もある。
大会配信にクオリティーを求めるならば、スイッチャーを使うべきだ。
詳しくは以下の記事からどうぞ!!