今回は弊社が実際に主催した「おとなのFall Guys大会」の経験をもとに、eスポーツの大会をはじめとした配信のノウハウを簡単に紹介していきます。
【YouTube】[Fall Guys編] eスポーツのイベント&大会配信ノウハウを大公開!! ATEM Mini Extremeで世界が変わる!?
はじめに
Fall Guys: Ultimate Knockoutのイベントとしての可能性は徐々に広がりを見せています。国内でもトップクラスの知名度があるeスポーツイベント「STAGE:0」でも種目の一つに選ばれています。
このようにイベントで使用するゲームとして、Fall Guysの需要は高まってきています。
ですが、あまり行われていない試みなので、「どのようにすればイベントを開くことができるのか」といったノウハウの部分はあまり出回っていません。
そこで今回は弊社が主催した「おとなのFall Guys大会」の経験をもとにノウハウの部分をお届けしたいと思っています。eスポーツや配信において汎用性のある内容も含まれているので、Fall Guysに関心のない人も要チェックです。
大会構成
今回の大会配信は主に4つの要素で構成して行いました。
実況解説
ゲーム画面
CM動画
ゲスト出演
必要な機材
まずは今回の大会で使用した機材を紹介していきます。
ハードウェア
- モニター×8
配信管理用(OBSなど制御ソフト)、オブザーバーPC用、実況確認用、スイッチャー確認用(マルチビュー) - ゲーミングPC×3
配信管理用(OBSなどの制御ソフト)、オブザーバーPC - ゲーミングノートPC×1
オブザーバーPC(配信者使用) - ノートPC×3
Discord用(ゲストの映像と音声用)、Discord参加者管理用(時間の告知)、画像素材用 - ATEM Mini Extreme(スイッチャー)×1
- steinberg UR44C(オーディオインターフェイス)×1
- XSW-D(ワイヤレスマイク)×2
実況解説の音声用 - EOS R(カメラ)
実況解説の映像用 - スプリッター
- 諸々のケーブル類
ソフトウェア
- OBS
YouTubeの配信構成用 - スイッチャーソフト
スイッチャー(ATEM Mini Extremeの調整用) - オーディオインターフェイスソフト
オーディオインターフェイス(steinberg UR44Cの調整用) - Discord
参加者管理用、ゲストと通話用 - Fall Guys ×3
オブザーバー用、ホスト用
スイッチャーを介した配線図
配線の中で一番複雑なスイッチャーの配線に関して図示しました。参考までにどうぞ。
HDMI入力
HDMI出力
①に関しては、HDMI出力口からスプリッター経由して、2台のモニターに映像を出力しています。
必要な工程
企画
内容はお好みですが、どんな場合でも集客とスケジュール感は意識する必要があります。
機材設計
個々の環境によって最適な組み合わせや配線は変わってきます。
特に今回の場合ですとケーブルの本数や長さの把握に苦労しました。
やはり実際に動かしてみると不具合が発生する場合もあるので構築した環境のテストは何回か行った方がいいと思います。
Google Form募集
Google Formを大会参加者のエントリーフォームにすると管理が簡単です。
項目は自由ですが概要や注意事項は記載した方がいいと思います。
また、GoogleFormのスクリプトを使って、Discordサーバーの招待を自動で送信する機能を付けると便利です。
Discord誘導
Discordは開始時間やロビーコードなど当日の連絡を全体に周知させることができるのでeスポーツの大会では重宝します。
参加する試合ごとにロールを割り振って、それぞれの参加者を管理すると比較的簡単です。
なかでもGoogle Form募集とDiscord誘導は重要になります。詳細な設定などは下記の記事より確認して下さい。
重要なポイント
実際に開催してみて重要と感じたポイントを何点か紹介していきます。
ATEM Mini Extremeの活躍!!
ATEM Mini Extreme(スイッチャー)があるとないとでは手間や見栄えが大きく変わってくることを実感しました。
入力口の多さは正義
ATEM Mini Extremeは入力口が8つあるので、多くのゲーム画面を切り替え可能でした。そのため撮れ高のある場面を逃さずに済みました。
特に今回採用したFall Guysは観戦モードに神視点がなく、多くの画面を映せるほうがより良い映像を配信できるので、 ATEM Mini Extremeの存在はよくマッチしていたと思います。
またOBSのシーンやソースは作り込むほど、数が多くなり管理が難しくなってしまうものなので、素材専用のPCをスイッチャーに入力することでOBSをコンパクトにまとめることができました。全体の操作でまごつく場面もほとんどありませんでした。
マルチビュー
今回のMVPはこのマルチビュー機能でした。
1画面でスイッチャーに入力している映像を把握できるので、切り替えるタイミングにミスは出なくなりました。また、 ATEM Mini Extremeのマルチビュー機能は設定画面で大きさを変えられるので、特に切り替えに重要なゲーム画面は大きく表示させました。
演者が配信に映っている映像を確認できる!!
更に出力口も4つ(HDMI×2 USB Type-C×2)あるので、今回のように演者と配信操作が離れている場合には、演者が実際に映っている映像を確認するためのモニターを接続できます。今回はそこから更に実況の2人が確認できるようにスプリッターを使用しました。
ワイヤレスマイクの充電管理!!
実況の音声はワイヤレスマイクを使って入力しました。
ワイヤレスマイクの場合だと音が二重に入ってしまうことや周囲の音も拾ってしまうなどの事故が少ないです。
詳しくは下記の記事より
今回のような長丁場の配信となるとマイクとレシーバーのバッテリーが切れてしまう可能性がありました。そのため充電しながら使用するのが効果的でした。ワイヤレス製品の充電管理は意外と盲点なので対策しておいた方がいいでしょう。
リモートでゲスト出演!!
今回は初めての試みとしてDiscordを使ったリモートでのゲスト出演を行いました。時勢的にもこれからのイベントには必要な要素だと思います。
ただ、見せ方は意外と難しいです。
クリアな映像を配信に載せるには、ゲストと運営の両環境を整備する必要があります。
また、今大会ではゲスト用、運営通話用、配信・ゲスト連絡用の3つのアカウントでグループDMを作ることで、配信環境に対応させました。
終わりに
今回はFall Guysを使ったeスポーツ配信のノウハウを紹介しました。
他のeスポーツや配信などでも使える技術はあると思うので参考にしていただけたら幸いです。
eスポーツの普及のため、今後も技術を高めて共有していきたいと思います。