The Esports Observerが2020年Q1のesports Tierを発表した。対象はPCゲームのみである。
コロナウイルスに晒される中、esportsの盛り上がりはどの様に変化したのか?
世界のTierを迫ったことで見えたesportsの課題とは?
【参考】前回(2019年Q4)のTier
情報・分析ソース
情報
- Twitch
- Esports Earning
- The Esports Observer
分析
- The Esports Observer
- newzoo
指標
「The Esports Observer」では、以下の6つの指標で重み付けをしてTier(ランキング)を作成している。
- 月間アクティブPCプレイヤー数(MONTHLY ACTIVE PC PLAYERS): 30%
- 賞金額(DISTRIBUTED WINNINGS): 25%
- eスポーツ配信の視聴時間(ESPORTS HOURS WATCHED): 20%
- ゲーム動画の視聴時間(HOURS WATCHED): 15%
- ライブ配信数(CONCURRENT STREAMS): 5%
- 大会数(NUMBER OF TOURNAMENTS): 5%
Tier1
1位 League of Legends
ー
2位 Counter-Strike:Global Offensive
ー
3位 Dota 2
⇧ ー Tier2
4位 Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
⇧ 8位 Tier2
Tier2
5位 Fortnite
ー
6位 Call of Duty Modern Warfare
⇧ 13位 Tier3
7位 PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS
⇩ 4位 ー
8位 Rocket League
⇩ 6位 ー
9位 Hearthstone
⇩ 7位 ー
10位 StarCraft II
⇧ 11位 Tier3
11位 Magic: The Gathering Arena
⇧ 14位 Tier3
Tier3
12位 FIFA20
ー
13位 Overwatch
⇩ 10位
14位 Warcraft Ⅲ
⇧ ランク外
15位 World of Warcraft
⇩ 9位 Tier2
特徴
オンライン大会へのシフトが鍵!!
「League of Legends」の名采配
圧倒的王者「League of Legends」は2019年Q3からの3連覇となった。
「プレイヤー数の多さ」や「視聴者数の多さ」もさることながら、名采配が光った。
コロナショックの影響で大会開催がままならない中、かなり早い段階でほとんどの大会を「オフライン」から「オンライン」へと切り替えた。
結果、プレイヤーの関心を引き留め、手持ちぶさたな室内待機の人々を囲い込むことが出来た。
更に「League of Legends」派生作品である「VALORANT」は「Twitch」において記録的な視聴者数を集めている。「Shroud」も現役復帰するほどの盛り上がりだ。
これが「相乗効果」を生むのか、それとも「共食い」となるのか非常に見物である。
オンラインの課題
「チーティング」の対処が最大の課題だ。
オフラインでは「監視員」が各チームや各プレイヤーにつき、指定されたマシーンでのプレイによって限りなく不正のない試合が保たれていた。
しかし、オンライン大会では「配信の義務化」、「ディレイでの放送」、「アイトラッカー」などで対策をとったとしても、「マクロ」や「ゴースティング」を完全に防ぐのは難しい。
いかに「公正な試合」を届けられるかで、今後のesportsの在り方も変わっていくだろう。
またどの様に「大会収益」を得るのかなど、他にも課題は山積みだ。
スタートダッシュの速さが命運を決める!!
「Counter-Strike:Global Offensive」は大規模リーグを早期開催したことが功を奏し、2位の順位を守り切った。
「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」も2月初頭の開催により、ギリギリでコロナショックを免れた。このタイトル最大の大会である「Six Invitational」は総視聴時間537万時間と大成功を収めた。その影響が大きくタイトルを押し上げ、初のTier1に昇格を果たした。
ただ、両タイトルともにコロナショック対策に関してのスタートがイマイチな所が少し気になる部分だ。
2020年Q2で二極化する
2020年の分水嶺は間違いなく「Q2」である。
この期間で如何に「オンライン大会」にシフトし、如何に「公正な試合」を作っていけるかに全てがかかっている。
悲しくも「公式のコロナショック対策」への舵取りにはタイトルごとに歴然とした差がある。
多くの有象無象の大会が各地で開かれているが、盛り上がりに欠けているのが実際だ。
やはり「公式」があってこその他の大会が映えるのだ。
だから何としてもタイトル公式は、早急な「オンライン大会化」と「公正な試合作り」に力を入れなくてはならない。それに失敗したタイトルはランク外となる可能性がある。
この現状はチャンスでもある。幸か不幸か「視聴者予備軍」は世界中に溢れているのだから。