Nintendo Switchを使って、ゲームのイベントや配信を行う際に、必要なノウハウや注意点を紹介します。
【YouTube】Nintendo Switch(任天堂スイッチ)をイベントや配信で使用する際のノウハウとポイント
はじめに
「今、日本で最も人気なゲーム機は?」と聞かれたら
間違いなく多くの人は「Nintendo Switch」と答えるでしょう。
上記のサイトでは、2022年のゲーム機販売台数全体の76%を「Nintendo Switch」が占めていると記載されています。
こうした人気がある「Nintendo Switch」を使って、ゲームのイベントや配信をやってみたいと考える人は多いと思います。
今回はそうした時に必要なノウハウや注意点を簡単に紹介します。
映像の出力に関して
イベントの場合でも、配信の場合でも、Nintendo Switchの映像をスクリーンや配信画面などに出力することが一番重要です。
まずはどういった機材が必要で、どういった配線をする必要があるのかを簡単に紹介します。
キャプチャーボード
ゲーム上の映像を配信で使用する場合は、映像をPCに取り込む必要があります。
そこで使用されるのが「キャプチャーボード」です。
外付け型と内蔵型
キャプチャーボードには、外部からUSBでPCに接続するタイプの「外付け型」とマザーボードに直で接続する「内蔵型」の2つがあります。
この二つの詳しい説明は後述しています。
ハードウェアエンコードとソフトウェアエンコード
キャプチャーボードには、ハードウェアエンコードとソフトウェアエンコードの2つのタイプが存在します。
簡単に説明すると「キャプチャーボード」側でエンコードの処理をかけるのが、ハードウェアエンコードで、「接続しているPC」側でエンコードの処理をかけるのが、ソフトウェアエンコードです。
ハードウェアエンコードの場合は「キャプチャーボード」側で処理を行うので、接続するPCのスペックは問いません。ただ、実際の映像との遅延はソフトウェアエンコードよりも発生します。
ソフトウェアエンコードの場合は「接続しているPC」側で処理を行うので、接続するPCにスペックが求められます。実際の映像との遅延は少ないです。
外付け型がハードウェアエンコードで、内蔵型がソフトウェアエンコードという訳ではないので、購入する際はしっかりと確かめよう。
パススルー機能
また、キャプチャーボードには、パススルーという機能が付いているものがあります。
簡単に説明すると、HDMIで入力した映像がキャプチャーボードを経由していても、そのままHDMIで出力できるというものです。
パススルーの出力先(HDMI)をモニターと繋いでNintendo Switchを操作すると遅延なくプレイできます。
実際の配線に関しては後述の外付け型と内蔵型の章で触れています。
どんなに高性能なキャプチャーボードでも、エンコードをした映像には多少遅延が発生するので、実際にプレイしながら同時に映像を出力する場合は、パススルー機能が付いているものを選んだ方がいいよ。
外付け型キャプチャーボード
まずは、外付け型のキャプチャーボードから紹介します。
上記のような商品が該当します。
配信PCとUSBで接続するタイプのキャプチャーボードです。
Nintendo Switchの映像をPCを使って配信に載せる場合の配線
Nintendo Switchの映像をPCを使って配信に載せる場合の配線は、次のようになります。
- 「Nintendo Switch」とキャプチャーボードはHDMIケーブルで繋ぐ。
- 配信用PCとキャプチャーボードをUSBケーブルで繋ぐ。
- 実際にゲームもプレイする必要がある場合は、キャプチャーボードのHDMI出力をモニターと繋ぐ。※パススルー機能がある時のみ有効
メリット
- 内蔵型と比べて価格は安いものが多い。
※外付け型でも高画質対応のソフトウェアエンコードタイプは高い。 - PCとの接続がUSBなので、デスクトップがなく、ノートPCしか持っていない場合でも使用できる。
※ソフトウェアエンコードの外付け型キャプチャーボードの場合は、ノートPCでも多少はスペックが問われる。 - PCとの接続がUSBなので、配線を何度も組み替えることがある場合でも、小回りが利くので便利
デメリット
- 内蔵型と比べると映像の出力先での不具合が稀にある。
(例:配信ソフトで上手く認識されない時があるなど) - 内蔵型と比べると外付けの分、配線時に多少嵩張る。
基本的には、もう一度繋ぎ直したり、HDMIケーブルを上手くまとめることができれば解消は可能だよ。
内蔵型キャプチャーボード
次に内蔵型のキャプチャーボードを紹介します。
上記のような商品が該当します。
マザーボードのPCIeスロットに直接差し込むタイプのキャプチャーボードです。
Nintendo Switchの映像をPCを使って配信に載せる場合の配線
Nintendo Switchの映像をPCを使って配信に載せる場合の配線は、次のようになります。
- 配信用PCのマザーボードの「PCIeスロット(グラフィックボードなどを接続する箇所)」にキャプチャーボードを差し込む。
- 「Nintendo Switch」とキャプチャーボードをHDMIケーブルで繋ぐ。
- 実際にゲームもプレイする必要がある場合は、キャプチャーボードのHDMI出力をモニターと繋ぐ。※パススルー機能がある時のみ有効
メリット
- 外付け型と比べて映像の出力先での不具合が少ない
- エンコードした映像とパススルーの映像の両方で高画質に対応しているものが多い
- PCケース内に設置されているので、配線時に外付け型のキャプチャーボードよりも嵩張らない
Nintendo Switchの映像を取り込むことが目的の場合は、Nintendo Switchで出力できる最大画質がフルHDなので、それ以上の高画質に対応しているものは必要ないよ。
デメリット
- 外付け型と比べると価格は基本的に高い
- PCIeスロットに余裕があるデスクトップ以外は基本的に設置できない。
ノートPCで使用するのは基本的に不可能 - デスクトップに内蔵される形になるため、取り外しがUSBほど簡単ではないので、外付け型と比べて、配線の際の柔軟性は低い。
複数の映像を切り替える場合
複数の「Nintendo Switch」の映像から、良い場面を選択して切り替えたい場合は、キャプチャーボードではなく、「スイッチャー」を使用します。
ゲーム内の観戦カメラや参加者の視点を切り替えて、配信やイベントのスクリーンに映したい時などに使用します。HDMIの入力口の数によって、切り替えられる映像の数は変化します。
ただ、接続している全ての映像をパススルー機能で出力することは、市販のものだと基本的にできません。スイッチャーを使用し、Nintendo Switchを操作したい場合は、「HDMI分配器」が必要になります。
これを操作用のモニターとスイッチャーの間に設置することで、遅延なくゲームをプレイできます。
スイッチャーとHDMI分配器を使用した際の配線
- Nintendo SwitchをそれぞれのHDMI分配器に接続します。
- それぞれのHDMI分配器を操作で使用するモニターとスイッチャーに接続します。
- スイッチャーと配信用のPCをUSBで接続する。
スイッチャーのHDMI出力からスクリーンや大型モニターに映すことも可能です。
HDMI分配器の種類によっては、Nintendo Switchが上手く出力されないものもあるので、購入の際は注意しよう。リンクを貼ってあるものは、実際に使用している限り、不具合は今のところ起きていないよ。
Nintendo Switchの設定
次に配信やイベントをする際に、Nintendo Switch上で設定しておいた方が良い項目を紹介します。
スリープ
まずは「スリープ」です。
一定時間Nintendo Switchに触れない時に、スリープ機能を切っておかないと配信・イベントの画面にスリープ状態が映ってしまいます。
スリープ状態にしないためには、下記の3点を設定した方が良いです。
- 本体画面であそぶときの自動スリープ 「しない」
- テレビであそぶときの自動スリープ 「しない」
- コンテンツ再生中は自動スリープしない 「ON」
テレビの解像度
次に「テレビの解像度」の項目です。
どれだけ良いキャプチャーボードを使っていても、もとの出力される映像が低画質だと意味がありません。Nintendo Switchの「テレビ出力」の項目は最大画質に設定した方が良いです。
- テレビの解像度 1080p
テレビの画面焼けを軽減
最後に「テレビの画面焼けを軽減」に関してです。
意外と一番厄介なのがこの設定です。
長時間同じ画面のままでいると画面焼け(ディスプレイに長時間映していた画面がうっすら残って見える)という現象が発生します。これを防ぐためにNintendo Switch側で「テレビの画面焼けを軽減」がデフォルトで「ON」になっています。
ただ、Nintendo Switchを操作しない時に、この設定が「ON」になっていると配信やスクリーンに映っている画面が急に暗くなります。そのため、配信・イベントでは「OFF」に設定した方が良いです。
- テレビの画面焼けを軽減 OFF
終わりに
以上がNintendo Switchを使って、配信やイベントを開催する際に、必要なノウハウやポイントの紹介でした。
弊社では、ゲームを使った配信やイベント開催を何度も行っております。ゲームを使った企画を考えているが、運営や手順が分からないという場合は、お気軽にお問い合わせください。