2019年5月WHO(世界保健機関)は新たな病気として、ゲーム依存症が「ゲーム障害」という病名で登録されました。
近年ゲーム障害、いわゆるゲーム依存症と言われる人たちが増加しています。
ゲーム依存症とはどのようなものなのか深堀っていきましょう。
本記事はインターン生が作成しました
弊社では9月末から10月序盤にかけてインターンシップを行い、その一環としてeスポーツに関する記事をインターン生に書いていただきました。
esports DOGAやYouTubeを通してメディアに力を入れている弊社に来ていただくのですから、今回は執筆を通じてeスポーツに関心を持ってほしい、かつ自分の記事が世に出る経験をしてほしい、という思いから作成していただきました。
第3回はゲーム依存症の考え方と対処法について書いた記事を見ていきたいと思います。
ゲーム依存症についてと対策
まずはゲーム依存症についてと、現在行われている治療法をみていきます。
ゲーム依存症とは
ゲーム依存症の医療での病名は「ゲーム障害」と言います。
ゲーム障害とは、ゲームをしたい欲を抑えることができなくなり、日常生活よりもゲームを優先し、健康や生活などに支障が出ても続けてしまうという病気です。
本人や周囲の人々を含め、「ゲームにはまっているだけ」と気軽に考えているうちに進行しているのがゲーム依存症です。
症状
ゲームに熱中しすぎるあまり利用時間などを自分でコントロールできなくなってしまいます。
- ゲームをしたいという欲を止められない
- ゲームのために睡眠、勉強時間を削る
- 食事中など別のことをしながらゲームをする
- ゲームが原因で体調不良を引き起こす
- ゲームに関することを注意されるとイライラする
このようにゲームが最優先になってしまい、日常生活や健康にまで、悪影響が及んでしまいます。
治療方法
現在、薬での治療方法はありませんが、依存症は回復可能な病気です。
治療方法は、以下の4つがあげられます。
診察
患者さんの症状や日常生活をチェックし、それらをもとに治療の方針を決めていきます。
その方針に従って、定期的にフォローアップします。
カウンセリング
ゲーム依存症について理解を進めることで、プレイ時間を減らす、やめることの必要性に気づくよう話し合います。
また治療に役立てるために、ゲームへの思いや没頭してしまう原因、日常的なストレスなどを聞きとります。
デイケア
集団で運動・食事・ディスカッションなどを行います。
集団での運動・食事では、ゲーム以外の楽しみに触れることができます。
ディスカッションでは、どうゲームの時間を減らすのか、ゲーム以外の活動を充実させる方法などを話し合います。
入院治療
診察・カウンセリング・デイケアなどの治療を受けても症状が改善されない場合は、入院治療が検討されます。
入院中は物理的にゲームから遠ざけ、医師や家族と繰り返し話し合い、生活リズムを整えます。
退院した後のゲームとの付き合い方も具体的に決めます。
現在のところ、入院治療をおこなっている医療機関は限られています。
ゲーム依存症の見方と対策
近年日本でゲーム依存症について一番話題にあがったのは香川県で施行された条例だと思います。
どのようにゲーム依存症は対策できるのか。その問題と向き合って考えてみます。
香川県のゲーム依存症対策条例とは
香川県のゲーム依存症対策条例は、2020年4月に施行され、子供のネットやゲーム依存への対策を目的としています。
ここで言う子供とは18歳未満のことを指し、ゲームのプレイ時間は平日60分・休日90分まで、スマートフォンの使用は夜22時までに終了する、という制限があります。
ゲームは悪なのか
ゲームに依存してしまうことによって、心・体・社会的に悪影響が出てしまうことは明確です。
しかしゲームを楽しむことや対戦相手と戦うことによって、脳が活性化し、認知機能を高める効果も期待できるです。
これらのことを踏まえると、一概にゲームは悪いものだと言えないのではないでしょうか。
また、ゲームが悪いわけではなく、1つのことに依存してしまっている状態が悪いのではないかと考えます。
対策として、ゲーム以外に楽しめる場所を作り、依存先を分散させてあげればよいのではないかと思います。
最後に
過度にゲームで遊ぶことによって、自身の体や生活に悪影響が出るのは明らかです。
しかしうまくコントロールすることで、認知機能を向上させることも可能です。
ゲームを強制的に禁止するのではなく、ゲームとうまく付き合っていく方法を探すほうが重要なのではないでしょうか。
インターン担当からみた感想
ゲーム依存に関して毎年研究が進み、危険性と対処法の他にも、ゲームによって良い効果が得られるという結果も見かけるようになりました。
ゲームで遊ぶことをコントロールすることが重要なのは同意です。
今ではゲーム以外にもSNSや無料漫画サイト、動画配信サイトなど誰でもハマれるツールが目白押しです。
健康的に過ごせる環境を与えるためには、身近な人や周りの環境も大事だと思います。
また一人一人の意識だけではなく、正しく理解するためにゲーム依存症のことを知る環境が整えられ、助け合える社会になるといいですね。