チートがゲームに及ぼす影響、チートの仕組み、最近起こり始めた新たなチートの問題の3点でチートについて触れていきます。
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はじめに
ゲームが抱える最大の恒常的な問題は間違いなくチートでしょう。
昨今人気が高いApex Legendsもこの問題が最大のネックとなっています。
このようにチートは悪いものであるという印象の人が多いでしょう。
しかし、どのような点に問題があって、どんな仕組みなのかを知っている人は少ないと思います。
それを理解することがチートの撲滅には繋がると感じます。
そこで今回はチートが引き起こす影響や仕組み、最近起こり始めた新たな問題を紹介していきます。
チートが及ぼす影響
まずはチートがゲームにどのような影響を及ぼすのか改めて考えていきたいと思います。
読んで字のごとく「チート」はズルをするということです。
不正なプログラムをゲームに介入させ有利に進めていくものです。
基本的にまともなプレイヤーには勝ち目がありません。
この問題において最も重要なのは「チーターがいると勝てない」ということではなく、その先の「チーターがいて勝てないからこのゲームを辞めよう」となってしまうことにあります。
たとえ、どんなにゲーム性が素晴らしくても、人がいなくなってしまったならゲームは存続できません。
事実「PUBG」やかつての「Apex Legends(第一次ブーム)」はチーターが好き勝手し放題だったので、多くのプレイヤーが去っていきました。こうした現象は「チーターがいて勝てないからこのゲームを辞めよう」という層に留まらず、彼らがいなくなったためにマッチング頻度の低下など活気がなくなり、そのことで辞めていくという別な層も巻き込んで減少していきました。
これがチーターを野放しにする危険性です。
余談ですが、先程の両タイトルを見ても、欧米のプレイヤーはチーターが発生するとすぐに去っていく傾向があるのに対して、日本人のプレイヤーは不平をこぼしつつも根気強くプレイしていることからは国民性みたいなものも読み取れそうですね。
もちろんチーターから始まるタイトルの衰退は、eスポーツにも影響していきます。プレイヤーの数が減れば、当然能力の高いプレイヤーが現れる可能性も減りますし、切磋琢磨し互いに高め合う機会も減ります。つまりはプレイヤーの技術の質が見込めないということです。またプレイヤー数が減れば、大会の視聴者も基本的には減り、盛り上がらなくなります。こうなればスポンサーや大手チームは撤退するでしょう。プロプレイヤーは生活できなくなります。
残念なことにチートの魔の手は我々の身近な所まで達しているのが現状です。チートを使うために必要なチートツールは、インターネット上で簡単に入手できます。こうしたものは操作も簡単で、子供でも手を出せる程です。つまり、ほんの一瞬魔が差しただけでチーターになることは往々にあるということです。
ゲームの永久BANにはじまり、損害賠償請求、最近では中国の大規模チート販売業者が逮捕されるに至るなど、軽い気持ちではじめたチートでも発覚した場合の罪は重いものです。チートの厳罰化は徐々に進んでいるので、今後はもっと厳しい処分が下される可能性も高いです。更に最近ではチートツールだけでなく、バグを悪用したグリッチも同様に罰せられるので、安易な気持ちでバグを使って遊んでいると命取りになります。特に配信者やプロプレイヤーはチートでキャリアを棒に振ってしますケースが多々あるので注意しましょう。
本来であれば運営が対策しなければならない問題です。しかし、なかなか改善されないタイトルも多々あるので、そういった場合には通報システムを使うことが、現状プレイヤー側の最良な対策となっています。ここで重要になってくるのは、正確にチーターを通報することです。特に重要なのは「正確」ということです。最近はチートを使っていない人を誤って通報したり、SNSで晒上げるというトラブルが頻繁に発生しているからです。
そのためにはまずチートにはどんなものがあるのか知る必要があります。次の章では主なチートを6種類紹介します。
主要な6種類のチート紹介
ここではよく使われている6種類のチートを簡単に紹介していきます。
ボット
まずは「ボット」についてです。
チートの中では最もよく使われているものです。ゲームプレイ時に「チートプログラム」を起動させることで、自動的に特定の行動をとることを可能にするものです。
一番厄介なのは、ボタン一つで「ボット」か「自己操作」かを切り替えることが出来ることです。これによって巧妙に使い分けるチーターもいるので、見極めが難しくなっています。
このボット系の中で、最も有名なのは「エイムボット(オートエイム)」です。FPS系のタイトル全般で見かけます。これは簡単に説明すると、一定の視界内や範囲内に敵が入った時に敵を自動的に攻撃するものです。多くは最もダメージが入るヘッドショットが出来るように設定されています。
判別方法
- 明らかに障害物が敵との間に存在していて、攻撃が当たらない状況なのに攻撃している。
- 真後ろからの攻撃など、通常では反応が難しい角度からの敵の攻撃をそつなく捌く。
- かなり遠距離でも、オート射撃(連射)で攻撃し、かなりヒットさせている。
- 異常な程にヘッドショットキルログを流している。
※ただ、2~4は自力で出来る人もいるので、通報は慎重にしましょう。
基本的に自動であるので、柔軟な立ち回りが必要な時にボロを出しやすい傾向にあります。
ワールドハッキング
次はワールドハッキングです。
ワールドハッキングは非常に汎用性が高く種類が多いです。
こちらもプレイ時に「チートプログラム」を起動することで発動します。端的に言えば「ゲーム上での仕様を書き換える」ものです。
よく使われているのは「ウォールハック」です。「通常では見えない障害物の裏を透視出来るモノ」です。隠れることが無意味と化すのでシューティング系だと致命的です。エイムボットや攻撃が障害物を貫通するチートを組み合わせて使われることが多いです。
判別方法
- 何もないはずの障害物を執拗に気にしている
- もしくは障害物越しの相手に動きを正確に追えている
正直ウォールハックを知ってなければいけないので判別は難しいです。
他にも本来表示されるはずのない敵の位置を色付けして見える様にする「chams」や操作するキャラクターの能力を極限まで上昇させた「超人チート」などがあります。
chamsはウォールハック同様に見極めが難しいですが、超人チートはあまりにも動きが異常なので、戦っているだけでもチートを使用しているのがよく分かります。
グリッチ
次に「グリッチ」です。
グリッチは端的にいうと「バグを意図的に使用すること」です。多くの人は「バグを使うぐらいいいじゃん」と思うかもしれません。しかし、多くのタイトルでは「バグ」の悪用も不正行為に含まれています。このグリッチをあまく見て、自身のキャリアを棒に振ってきたストリーマーやプロプレイヤーを何人も見てきたので、バグには極力触れないのがベストでしょう。
判別方法
- 基本的にバグは通常の動きをしただけでは起こらないので、バグの前に何か特殊な動作をすることが多い。
チーミング
続いてはチーミングについてです。
簡単に説明すると、規定数以上の仲間と協力する為に、敵同士の状態でゲームに入り、開始されると仲間として行動することです。次に紹介するゴースティングと併用されることが多いです。
判別方法
- 基本的には「チーミング集団」で行動するので、移動フェーズなどを注目すれば発見しやすい。
ゴースティング
次はゴースティングについてです。
簡単に説明すると、ストリーマーやオンライン大会参加者がプレイ画面を配信に映している時、別のプレイヤーがその配信画面から配信しているプレイヤーの位置や状況を見て狙うことです。
名うての配信者やプロゲーマーが狙われることが多いです。こういった行為は配信をつまらなくさせ、他の視聴者のタイトルへの関心を低めるので絶対にやめよう。
判別方法
- あからさまに特定の人物に狙いを定めたかのような動きが見て取れる場合(一直線に配信者の方に向かうなど)。
- 相手の現在地を配信を見て確認するので、明らかに不自然な場所で一定時間プレイ画面をたびたび停止させている。
マクロ
最後に「マクロ」について紹介します。
正直マクロは限りなくチートに近い行為ですが、分類上はチートではありません。
基本的にゲームにおいては悪質な使われ方をする事が多いので、今回はチート側に分類して紹介します。
簡単に説明すると、通常では複数のキーを順に押すことで反映される動作などを、一つのキー入力で一連の動作を完遂できるように設定できるモノです。特にタクティカルシューティングやMOBAでよく使われていることが多いです。
基本的にはマウスやキーボードなどデバイスに設定するので、ゲーム設定に干渉することが少なく、見逃されることが多いです。公式のドライバーを入れれば、すぐ設定できるので導入も簡単です。
最もよく使われるのは「ノンリコイル」です。FPSにおいて、発砲時に起きる反動を気にせずに使用できるという機能です。実際には反動を無くしているのではなく、反動を制御する時に必要なマウスの動きを、「射撃キー」を入力した際に実行されるように設定しているということです。他にも「高速連射マクロ」なども存在しています。
判別方法
- あまりにも正確なエイムコントロールをしている。
- 複数の入力をより少ないキーに割り振っているので、入力すると目的の動作には必要のない動作を間に挟むことがある。
※1に関してはエイムボット同様に、自身の力で出来る人もいるので、通報には注意しましょう。
こうしたマクロはゲームタイトルでは明確に禁止されてはいませんが、eスポーツでは禁止されることが多いです。
以上、主な6種類のチートの解説でした。次はチートが蔓延したことで起きた新たな問題を紹介します。
新たな問題
続いては、チートが蔓延したことで起きた新たな問題を紹介していきます。
先程のチートの紹介でも話しましたが、チートについて正しい知識がないと誤った通報をしてしまいます。ましてや、知っていてもなお、判断の難しい場面が多々あるものです。
その中で安易な通報によって、チートを使っていない人を通報してしまったり、更にSNS上で誤った人を晒上げた末にトラブルになっているケースも増えてきています。
特に晒上げる行為は、本当に上手い人だった場合、名誉棄損にも繋がりかねない内容です。
もはや「魔女狩り」といっても過言ではない状況が作り出されています。
通報はまだしも、晒上げる意味は正直あるのでしょうか。
もちろん一番はチーターが悪いですが、こうした晒上げの行為も見ていて気持ちの良いものではないですよね。
だから、晒上げる必要は全くないと思っています。通報に留めるべきだと思います。実際に晒上げが抑止に繋がっているのでしょうか。
解決に結びつく方法で 適切に対処していきましょう
終わりに
少しでもチート行為に関する認識を深め、チーターの特徴を捉えていただけたら幸いです。
自分の好きなタイトルを守る為にも、自分の好きなゲームを守る為にも、我々はチート行為と正しく戦っていきましょう。