「PUBG Continental Series1」をより楽しむ為の「注目ポイント」を特集。PUBG esportsをもっと楽しもう!!
はじめに
PCSとは?
PCSは5月、6月、8月にAsia(韓国、日本、中国、チャイニーズタイペイ)、Asia-Pacific(東南アジアおよびオセアニア)、Europe、North Americaの4つの地域で開催される「PlayerUnknown’s Battlegrounds(PC版)」の国際大会だ。
参加チーム
各地区の参加チームは計16チームで、地域予選によって参加資格が与えられる。
大会日程
大会は計4日間、2週間にわたって開催され、Erangel/Miramarを舞台に1日に5回のマッチが繰り広げられる。
賞金
賞金は、地区ごとに20万ドル。ここに前回のPUBG GLOBAL CHAMPIONSHIP 2019でも実施されたPick’em Challengeが実施されることで、賞金プールと合わせて、参加チームに与えられる特典を更に拡大する予定。
Pick’em Challengeとは?
「優勝チームを当てて、大会限定スキンを手に入れよう!!」という試みである。
投票権は「特定のアイテム購入」or「マッチでTop10に入る」で貰え、1チーム1回のみ投票可能。
今回のPick’em Challengeも前回と同様に、購入・投票によって実施されますが、大会が4つの地区で開催されるので、アイテム販売収益の25%は、4つの地区大会に均等に配分される予定。 25%の内12.5%は賞金にプラスされ、残りの12.5%は参加チームに均等に分けられ、全てのチームが特典を受けられるようにする予定。
開催期間
「PUBG Continental Series: Charity Showdown」のおさらい
PCSは三部構成なので、前回大会である「PUBG Continental Series: Charity Showdown」を振り返ることで、今大会の「PUBG Continental Series 1」をより楽しめると思う。
Asia
誰もが予想してなかった台湾からの刺客「Team Curson」が初日Topに躍り出て、界隈は騒然。更に後日、大学生と社会人からなるアマチュアチームであることも発覚し、ファンを大量獲得した。
事前予想では韓国チームがTop独占と思われていたが、まさかの中国チームの奮闘によりTop3に入ることすらできなかった。力を見せた中国チームの中でも「Tianba」の爆発力は誰も止められず、2位に50ポイントの差をつけてのぶっちぎりの1位となった。
EU
2019年は「Faze Clan」、「Team Liquid」、「Natus Vincere」の3強の年であったが、2020年は違う。特に2部リーグ出身のチームの勢いが凄い。「Omaken Sports」、「Northen Lights」、「TORNADO ENERGY」が快進撃を見せる。
結果、こちらも大きく下馬評を覆し「Northen Lights」、「TORNADO ENERGY」の1、2フィニッシュに終わった。実力差がかなり詰まってきた為に一瞬でも目が離せない。そして、安定のAIM力はお化け。
APAC
APACは史上稀に見るレベルの接戦が続いた。最終日までにTop5の点差が僅か数点という形だ。堅実なゲームメイクの「タイ勢」と粘り強い「ベトナム勢」の色がよく出る展開だった。
結果、安置の引きと持ち前のしぶとさで「DivisionX Gaming」が優勝した。オーストラリアの「FURY」やベトナム最強の「CERBERUS Esports」が振るわなかったのは意外だった。今大会に期待大だ。
NA
最近安定している「Shoot To Kill」を抑え、優勝したのは「Oath Gaming」。最終日には前代未聞の4連ドン勝という偉業を成し遂げ、ぶっちぎりの1位。因みに「PUBG Continental Series 1」の予選でも5マッチ中4マッチドン勝した日もある。そして、今大会予選を1位で抜けた「Susquehanna Soniqs」も要注目だ。キルポテンシャルが高すぎる。
PCS参戦チーム紹介 – Asia
参戦チーム
今回から参戦したチームは「Team VSG」、「Crest Gaming Xanadu」、「ELEMENT.36」だ。
魔境の中国
中国勢の何がヤバいというと「Charity Showdown」の「Tianba」の様な圧勝が出来るチームがゴロゴロ存在している所だ。それだけ高水準で拮抗しているのだ。
正直、PUBG最強国はもう中国になってしまっている様に感じる。
判官贔屓の私としては、大どんでん返しを期待してしまう。
久しぶりのVSG
2019年の「Face it」ぶりの大規模国際大会に帰ってきた「VSG」。国内大会では最近まで終盤まで人数を残せない状況が目立ち、苦戦しているいた。満を持しての登場だ。ロースターは古参の「Hulk選手」に元GenGの「Menteul選手」、元DNTの「WICK2D選手」など強い。あと一枠が「Starlord選手」になるか「Foxy選手」になるかも気になる。(たぶんFoxyだが)
また、予選1位の「Griffin」がどこまで国際戦の調整を仕上げてきているのかも注目だ。
韓国勢はフィジカルもさることながら、囲い込みの美しさが最大のポイントである。しかし、そのカウンターとして主流になりつつある「3射線をスモークで切り、1射線に火力を集中する戦術」とどう渡り合うのかが最大のポイントだ。
Charity Showdownの無念を晴らせるか!!
GEXの活躍が見たい
「Global Esports Xsset」は台湾国内では文句なしの最強であるが、ここ最近の国際戦の戦績は良くない。台湾のエース「ChiaWei1031選手」や並外れたエイム力の「Leo選手」などロースターには問題がない。ただCharity Showdownでは良いポジションを取ることがあまりできず、集団戦でも大打撃を受ける印象が強かった。今回の予選では、2位に70ポイント差をつけるぶっちぎりだったので期待したい。
Charity Showdownで猛威を振るった「Team Curson」も注目だ。ただ「Tianba」が勢いづいた辺りからリズムが崩れ始めたので、どの様に修正してきているのか気になる。
我らが日本チーム
まさかの前回出場の2チームが予選で姿消した日本勢。実力が拮抗しているのが伺える。
「Crest Gaming Xanadu」は、かなーーーり久しぶりの国際戦出場だ。かなり積極的なキルへの姿勢が見られる。以前までは積極性によってムーブがかなり微妙なことになっていたが、今回はかなりメリハリを感じられる。集団戦も勝ち切れている印象だ。あとは、PJSの終盤で目立った「不用意に人数を削られる場面」が減れば、かなり期待できる。
「ELEMENT.36」はギリギリで国際戦を逃す場面が多かったが、今回はPJS随一の安定感でその切符を掴んだ。絶妙な間を縫う良いムーブが目立つ。懸念点としては、獲得ポイントの多くが「順位ポイント」である点だ。基本的にキルムーブが多い海外チームに狩られないか心配だ。
そして、PJSは「Sunhok」を競技シーンから外すべきだ。
PCS参戦チーム紹介 – EU
参戦チーム
2部リーグ出身チームの猛攻
「Northen Lights」はまじで凄い。勢いがモノを言うEUリーグ中でかつての「FaZe Clan」並みに高い安定感も感じる。有利な状況では基本的にチョンボせず、不利な状況では異常な粘りを見せる非常にいいチームだ。特にスモークを使った射線の切り方が上手すぎる。この技術を使った「3射線をスモークで切り、1射線に火力を集中する戦術」は非常に火力が高い。一瞬で敵が溶ける。
「TORNADO ENERGY」の勢いは止められない。新加入の「Qw1zzy選手」をいい具合に取り込み、チーム力がさらに上がった。臨機応変な展開が特徴で、不利な状況を打開する力がある。若干波があるのが玉にキズ。なお予選は1位通過。
「TEMPUS」は最高のエンターテイナーの集団だ。勝つ時も負ける時もド派手だ。どちらの場合もよくハイライトに映る。ただそれでも強いのが素晴らしい。フィジカルの強さもさることながら、機転を利かせた奇策をよく披露してくれる。今期の「PiXeL1K選手」の活躍は凄い。
この4チームがPUBGに残れている理由
何故、軒並み大手チームが撤退した中で、これらのチームは今もなおPUBGに存在しているのか。
答えは簡単だ。強いからだ。
恐らくメンバーの誰であっても、他のチームでもエースを張れる逸材だらけだ。どんなに予選をやっても何だかんだ言って最終的に進出してくるのだ。
だが、いつも詰めの甘さで、最後の最後に勝ちきれないのを直さなくては優勝は難しいだろう。
IWCとUNITYに光が
「UNITY」はもう長いこと日の目を見ることはなかった。気付けば、1部で戦っていた頃のメンバーは「Orange選手」ただ一人だけだ。今期はなかなか勝ちきれなかった集団戦でも勝てる様になり、終盤まで繋げる場面が多い。あと一押しが欲しいところだ。本当に頑張って欲しい。
「Istanbul Wild Cats」も長年くすぶっていたチームだ。今年から一人一人のレベルが格段に上がっている。特に「shecreated選手」の活躍が光る。第二の「Iroh」の予感がする逸材だ。
常に応援しているのは、「FaZe Clan」だが、今大会で一番注目しているのは、「Red line」だ。元TSMの「mykLe選手」を迎え、更に火力が上がっている。また、高い水準で安定している。「Qbe選手」の活躍のシーンが多い。
PCS参戦チーム紹介 – APAC
参戦チーム
前回覇者(DivisionX Gaming)、予選で消える
Charity Showdownの覇者だろうが問答無用で消える。それがベトナムリーグだ。
ただ今回予選1位の「CERBERUS Esports」は、非常に国際戦に弱い。一方で「DIC Gaming」や「Divine Esports」は国内で1位を取ることは少ないが、国際戦では結構活躍する。
「Maoggy Esports」と「GearBox」は、正直未知数だ。
帰ってきたMSC THEERATHON
PUBG esportsの黒歴史「MET Asia」
PUBG esportsの黒歴史である「MET Asia」を覚えているだろうか。
上の記事では、タイの運営が悪いような書き方だが、運営の判断に素直に従えないチームの方に問題があると私は感じている。何故なら、悪意を持って運営がやったわけではないのだから。
マッチ終盤に回線不良で仕切り直しになるトラブルがあった。その時に初めから再試合になったことに不服の中国・台湾チームが大会をボイコットする事件が起きた。韓国の観客も中国選手がキルを取られると喜びまくるなど、中台 vs 韓国の不毛な対立が生まれた。こうしてお通夜ムードになった大会で、もう一度全チームが参加することを望み、中国・台湾チームが離脱していた時に稼いだドン勝のポイントをチャラにして再試合する提案を飲んだチームがいた。
MSCについて
それが、現MSC THEERATHON(元Tokio Striker)である。
2019年後半は「Mhuntoh選手」や「ShippyS選手」が離脱するなど、苦戦が続き、中々上位に食い込むことがなかった。今回、久しぶりに戻ってきた。予選も堂々の1位通過。ただ、後半にかけて失速したのが少し気になる。
タイの注目処と言えば、「Buriram United Esports」と「QConfirm」で間違いない。共に高いレベルで安定しており、堅実なムーブが特徴だ。間違いなく上位に食い込むだろう。「Buriram United Esports」の「Eady選手」が個人的な注目選手である。
Victim祭りのインドネシア
インドネシアの上位が「Victim」に占領されている。今大会に出場する「Eagle 365」は、同チーム名のチームが出場できないので、「Victim Sentinel Shooter」が名前を変えたものである。因みに他にも「Victim hope」も存在していて、国内リーグで6位となっている。そして1位通過の「Victim RISE」は直近の国際大会で結果を残しているので、かなり期待できる。
波乱のRest of SEA
Charity Showdownで4位入賞した「ArkAngel Predator」を押しのけ出場の切符を掴んだのは、「Bahamut Gaming」であった。Rest of SEAもレベルが上がっており、「DK Esports」や「24K gaming」など隠れた強豪も多い。
上位2チームが固定、オセアニア
オセアニアのこの2強は揺るがない。
正直Charity Showdownの「FURY」の不調が信じられない程、国際大会でも結果を残している。一方「Astra(元Athletico)」は最近国際大会では上手くいっていない。そろそろオセアニアの意地を見てみたい!!
PCS参戦チーム紹介 – NA
参戦チーム
Oath Gamingの爆発力がヤバすぎる
ここぞという時に4連ドン勝をしてくる最も波に乗っているチームだ。Charity Showdownでも圧倒的優勝を飾った。ただ、ポイントが取れないときは0が続くなど、かなり極端なのが玉にキズ。
超高水準で安定するShoot To Kill
かつては勢いで押すチームだった「Shoot To Kill」が高水準で安定している。Charity Showdownでも2位につけ、今回の予選も2位だった。私的には勢いで1位を取るよりも、安定して2位を取り続けることの方が価値があると感じている。今回は1位を期待している。
圧倒的キルポテンシャルSQ
かなり調子を上げているチームの一つだ。「Pr0phie選手」、「hwinn選手」、「Shrimzy選手」などNAの第一線で戦ってきた猛者に加え、「M1ME選手」という逸材を発掘した。今大会の「M1ME選手」の活躍は凄すぎる。キルポテンシャルはNA屈指の実力だ。
国際大会の特徴
スプリットがあまり刺さらない
傾向的に4人全員でムーブを行うチームがほとんどの今、中盤以降でのスプリットはかなり難しい。4人に突撃されて、数人欠けるシーンを多くみる。(特にFaze Clan)
2~3フェーズまでがスプリットの限界のような気がする。
国内大会最強 ≠ 国際大会最強
「Griffin」、「Global Esports Xsset」、「CERBERUS Esports」など国内リーグでは最強なチームが、国際戦では不調である。
傾向が分かりやすい期末テストではいい点をとれるが、実力が試される模試では点数を取れない学生に似たモノを感じる。
つまり、国内でしか通用しないムーブなのかもしれない。
だからこそ、彼らに勝って欲しいという思いは強い。
グレネード以外の投げ物の使い方
海外では火炎瓶でのキルシーンがグレネードよりも多い気がする。また、スタングレネードから攻撃の起点を展開するチームも見られる。
グレネードがないから火炎瓶やスタングレネードを使うというよりは、それぞれを使うべき場所を心得ている様なチームが海外では多い。
これに日本はどう対応するのかが気になる。
終わりに
PUBGの魅力を伝えるには、「PJS」だけでなく海外大会の情報や見所も必要と感じている。
少しでも良い観戦の指標を提供できたのなら幸いだ。