昨今のコロナ禍における巣ごもり需要も相まって、私たちの生活に「ゲーム」という新たなコンテンツが普及してきました。
この貴重な機会を逃さずに、「eスポーツ」という新たなアプローチから、地方創生に取り組むような試みも良いのではないかと思います。
地方創生の課題
地方創生とは?
「将来的な地方衰退の問題を解消し、地域経済を活性化させるための政策的な取り組み」であり、以下のような目的が掲げられています。
・東京一極集中の緩和
・人口減少や少子高齢化への歯止め
・活気あふれる「まちづくり」と経済の活性化
・地域の魅力発信
地方創生の課題
長期的な地域経済の構築が課題として指摘されています。
近年は新型コロナウイルスの影響もあり、「コロナに強い社会環境整備」、「新たな暮らしのスタイルの確立」、「新たな付加価値を生み出す消費・投資の促進」の三つの角度から長期的な経済の活性化を図っていく必要性が課題として挙げられています。
課題解決へのきっかけとしてeスポーツを活用
地域経済を活性化するためには、まず地方に興味・関心を持ってもらうことが重要です。
そのための地域の魅力発信や、地域に訪れてもらうためのきっかけづくりとして、eスポーツ事業に取り組む自治体が増えています。
eスポーツの活用事例
それでは実際に「eスポーツ」がどのように地方創生に活かされているのか、その具体例を紹介しつつ、それぞれの取り組みにどのような期待が寄せられているのかを考えていきます。
富山県発の大規模eスポーツイベント事例
「Toyama Gamers Day 2019/5G COLISEUM」
2019年9月28日~29日にかけて、富山県高岡市で開催されたeスポーツイベントです。
当イベントでは、「eスポーツ対戦会」や「5G体験コーナー」が実施されました。
「ストリートファイター」「ぷよぷよ」「グランツーリスモ」などのeスポーツ対戦が実施された他、NTTドコモの協力により設置された、5G通信環境でのオンラインゲーム対戦やVR・AR体験ブースなども多くの来場者に楽しまれました。
当初は、2日間での大会参加者・来場者含め「2,000人」が目標人数とされていましたが、最終的な結果では「3,500人」を上回る来場者規模にまで盛り上がりました。
また、大会の優勝トロフィーは地域特産の「高岡銅器」で作られているなど、地域の魅力発信の機会としてもeスポーツイベントが寄与しました。
取り組みの効果
主催した地域にたくさんの人が訪れることで地域の土地や風土を感じてもらうことができます。
また、イベントを通して若い世代にも関心を持ってもらうことができます。ゲームは特に若い層を中心に人気があることから、eスポーツイベントを開催することで、地方創生活動に一層多くの若い世代を取り込むことができます。
eスポーツが熱い「群馬県」の取り組み
「世界遺産×eスポーツ」イベント
群馬県では「地域創生」と「群馬のブランド力向上」を目標に、eスポーツ事業が盛んにおこなわれています。
例えば、eスポーツを活用した「まちづくり」として、2021年3月13日より群馬県と富岡市が協力して開催された、世界遺産にも登録されている富岡製糸場を会場にしたeスポーツイベントがあります。
エキシビションマッチとして富岡市長が「スーパーボンバーマンR」に挑戦した他、富岡市内4チームによるチーム対抗戦として「ウイニングイレブン 2021」がおこなわれました。
コロナ禍ということもあり、無観客での開催となりましたが、様々なメディアに当イベントが取り上げられ、群馬県の魅力発信と地域資源の活用としてeスポーツが貢献しました。
次世代の人材に向けた「eスポーツ実況者大会」
eスポーツ実況者の登竜門として、また、次世代のeスポーツ業界を担う人材発掘・活躍の場として、群馬県主催のeスポーツ実況者大会「第2回 日本eスポーツ実況王決定戦」が2022年11月~12月にかけておこなわれます。
審査員には、最前線で活躍するeスポーツキャスターやプロゲーマー、ストリーマーなど豪華な出演者たちが登場し、決勝大会は地域内施設である「Gメッセ群馬」で開催されるなど、自地域に訪れてもらうためのきっかけづくりとして工夫がされています。
また「eスポーツ実況者大会」については、群馬県が全国初の開催となるなど、話題性のある地域発信としても本大会が一役買っています。
弊社では2021年に実際に現地へ行き、主催した群馬県庁の方にインタビューを行いました。
県内初となる常設型eスポーツ施設
2021年1月30日には、群馬県初となる常設型eスポーツ施設として「Gunma e Sports」が高崎市緑町にオープンされました。
地域のeスポーツ施設として、大型LEDビジョン、音響及び配信設備、最新型のゲーミングPCなど本格的な機器が揃えられ、一般利用者に向けた動画配信用ブースの提供や、eスポーツイベント会場としても大いに賑わっています。
取り組みの効果
他の自治体に先駆けて「eスポーツ」に特化した地方創生活動に取り組む事によって、若い感性を持った地域としてのイメージアップや、差別化したアプローチでの地域の魅力を発信できます。
加えて、イベントを「富山製糸場」や「Gメッセ群馬」などの県内施設で開催していくことにより、地域資源の新しい有効活用ができます。
eスポーツこその利点
では、そもそもどうしてeスポーツを選んだのでしょう?eスポーツには以下のような特徴があるからだと考えられます。
幅広い層にリーチできる
eスポーツ認知度の高まり
コロナ禍における巣ごもり需要も相まって、近年ゲーム業界への需要が高まったことから、世間にもeスポーツがより認知されるようになった結果、eスポーツへの敷居が下がったことに繋がりました。
親子でも参加しやすい
eスポーツは、親子でも参加しやすい特徴があります。
大人に限らず、子どもたちの趣味としてもゲームは一般的であり、親子でeスポーツに参加するということも可能です。地域活性への取り組みとして、親子向けの参加型eスポーツイベントが開催された事例もあります。
若い層にも注目が集められる
これまでゲーム文化は若い年齢層を中心に発展してきました。
幅広い年齢層にもゲーム文化が浸透していますが、データから見ても未だ若い年齢層にプレイヤーが集中していることがわかります。
若者をターゲットとした新たな地方創生へのテーマとして、「eスポーツ」を取り入れていくことで、今まで以上に若い世代を取り込んでいく期待ができるのではないでしょうか。
選択肢が広い
扱えるコンテンツが豊富
ゲームは様々なプラットフォームでプレイすることが可能です。最近ではスマートフォン・パソコン・ゲーム機が主流となっています。また、様々なジャンルや種類のゲームタイトルも販売されています。
このように豊富な選択肢があるからこそ、イベントコンテンツとしてのバリエーションの幅が広いことが特徴としてあります。
柔軟な開催方法
eスポーツは主にインターネットや電子機器を扱うことが多いことから、一般的なスポーツイベントと比較して柔軟に開催方法を調整できる特徴が挙げられます。
・オフライン開催の場合
オフラインでのイベント開催であれば、直にゲストや参加者間でのコミュニケーションが図る事ができます。また、地方創生のイベントとも相性がよく、前述した富岡製糸場でのeスポーツイベントのようにご当地名所や観光スポットから、地域の魅力発信へと繋げていく事も期待できます。
・オンライン開催の場合
インターネット環境があれば、オンラインでのイベント開催が実現でき、会場を借りる必要性がありません。昨今のコロナ事情により対面でのイベントも難しい状況ですが、オンライン開催ならば全国各地から安心してイベント参加者を募ることができます。
最後に
以上のように、「eスポーツ」を用いたイベントだからこそ実現できる期待というのも大いにあります。
ぜひこの機会に、「eスポーツ」を地方創生への足掛かりとして、効果的な地域の魅力発信へと繋げていく取り組みはいかがでしょうか?
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