今回は「FPSって何を指すの?」という疑問を払拭する為、「FPS」と「TPS」の違い、それぞれの特徴について簡単にまとめてみた。
FPS
FPSとは
First Person Shooterの略称であり、一人称視点のシューティングゲームを意味する。視点はFirst Person PerspetciveでFPPという。
「キャラクター視点」で操作し、画面には武器と手元のみが映る。海外シューティングゲームの主流の視点である。
歴史
最初のFPSは1992年の「Wolfenstein 3D」で、1993年の「DOOM」で火が着いた。DOOMは今でも大人気のフランチャイズだ。
それに続いた「Quake」「Unreal」「HALF-LIFE」が盤石な基盤を築き、「Call of Duty」「BattleField」で一気に普及した。
日本でFPSはメジャーではなかった
日本産のFPSタイトルはほとんど作られていない。過去に名作FPS「ゴールデンアイ 007」が発売されたが、あまり売れなかった。
また、FPSであったとしても「人が撃ち合う」ようなものではなく、機動戦士ガンダムシリーズなどの「マシーンの操作系」がメインだ。このジャンルでもTPSの方が多い。
このように日本ではFPSはメジャーでなかった。しかし最近では「Call of Duty」「BattleField」の人気、eスポーツタイトルにFPSが多い、「Apex Legends」ブームなどで、徐々にFPSが浸透してきている。
TPS
TPSとは
Third Person Shooterの略称であり、三人称視点のシューティングゲームを意味する。視点はThird Person PerspectiveでTPPという。
日本のシューティングゲームでは一般的な視点である。現在よく使われている「TPS」は、バイオハザードシリーズ(4以降)、メタルギアソリッドシリーズ(2以降)のように「キャラクターの背後からの視点」を指している。
海外でも、カジュアル系やストーリー重視のシューティングはTPSが多い。
日本でTPSが人気の理由
歴史的観点
この様に日本においてTPSタイトルが多く発売され、人気である背景には、ゲーム黎明期の頃から俯瞰視点のタイトル(魂斗羅など)が多かった為、FPSよりはTPSの視点の方が慣れているからだと思われる。
日本ゲームの進化の方向性
また日本タイトルは時代が進むにつれ、ムービーを交えたストーリーテリングやシューティング以外の要素(ステルス要素など)も重視される様になった。こうした要素はTPSの方が表現しやすい。
つまり、FPSにおける「キャラクター視点」を利用した「物語に入り込む(没入感)」よりも、第三者視点に立って「物語を読む(観賞する)」方にゲームが進化していった。
日本人はFPSが苦手なのか?
日本人はFPSが苦手でTPSが好きというわけではなく、単にFPSに触れる機会が少ないだけなのではないだろうか。
日本から世界に通じるFPSタイトルが発表されることを切に願う。
特徴
視界の違い
これはゲーム内の同じ位置で撮影したTPSとFPSの画像である。
「背後からの第三者視点」であるTPSと、「キャラクター視点」であるFPSでは、見え方がかなり違うことが分かるだろう。
TPSでは壁越しでも他のプレイヤー(赤の四角で囲っている部分)が見えるのに対して、FPSでは立ちはだかる壁しか見えない。
FPSで相手を視認する場合には、自分も体を相手の方に晒す必要があるのだ。特にオンライン対戦シューティングでは、TPSモードにおいてこのような壁越しの視点の駆け引きも存在する(自分が見えていなくても、相手には見えているなど)。
没入感と3D酔い(画面酔い)
ゲームコンセプトによって作品への没入感は変わるものであるが、特に「FPS」はキャラクターの視点で操作出来るので、キャラクターとの一体感を通した作品への没入感を楽しむことが出来る。「のめり込む」と言う単語が一番しっくりくる感じだ。
しかし、前述したように視界がTPSに比べ狭い為に、こまめに視点を変えることが必要になってくる。更に近年のオンライン対戦FPSは目まぐるしく展開が変化する為、非常に頻繁に視点が変わる。あまり慣れていないプレイヤーや酔いやすいプレイヤーは3D酔いすることが多々ある。
主なeスポーツタイトル
FPS
Counter-Strike: Global Offensive
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
Call of Duty Modern Warfare
VALORANT
PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS
PUBGはFPSモードとTPSモードの二つに分かれている。日本ではTPSが一般的かもしれないが、公式大会のスタンダードはFPSモードだ。
Overwatch
海外大手eスポーツのシューティングタイトルは基本的にFPSがほとんどだ。
TPS
Fortnite
荒野行動
スプラトゥーン
日本のみで流行っているタイトルはTPSが多い。
世界的に人気の「Fortnite」は例外中の例外だ。ゲームのコンセプトである「建築&シューティング」の要素が、FPSだと活きにくいためTPSなのだ。