今回は、突如として現れ、「Ghost of Tsushima」や「Death Stranding」よりも人を集め、Twitchを席巻した話題のタイトルである「Fall Guys: Ultimate Knockout」の魅力と戦略を特集する。
Fall Guysとは?
プロフィール
- 正式名称 : Fall Guys: Ultimate Knockout
- 開発 : Mediatonic
- パブリッシャー : Devolver Digital
- 対応機種:Playstation 4、Windows(Steam)
- 運営開始 : 2020年8月4日
PS Plus加入者であれば9月1日10:00まで無料で手に入れることができる。
ゲーム性
最大60人で遊べるオンラインパーティーゲームである。ジャンルはアクションで、最後の1人まで生き残るバトルロワイヤルだ。
可愛らしいキャラクターが「SASUKE」のようなアスレチックで運動会をしているように見える。だがその実は生き残りをかけているので、他のプレイヤーの蹴落としが常である。
例えるならば、「カイジ」の「ブレイブメンロード」や「太宰治」の「蜘蛛の糸」がしっくりくる感じだ。
つまり、人間の汚い部分がモロに出るゲームである。そのギャップも魅力の一つだろう。
配信でも注目
Twitch最大同時視聴者数で今年の話題作を抜く
- VALORANT 173万
- Fall Guys: Ultimate Knockout 52.3万
- Call of Duty: Modern Warfare 52.1万
- The Last of Us Part II 50.8万
- Hyper Scape 46.6万
- FIFA20 30.5万
- Resident Evil 3(バイオハザード) 32.5万
- Ghost of Tsushima 31.6万
- Death Stranding 29.1万
- Animal Crossing: New Horizons 24.6万
Twitchの最大同時接続数では、歴代14番目の記録となっている。2020年付近で発売開始となったタイトルの中では、VALORANTに続く記録となっている。
あまりの人気ぶりにサーバーがダウンする程である。
人気となった秘訣
先行配信
正式リリース前、Twitchで配信者達にベータ版をプレイしているところを配信させた。既に平均同時視聴者数10万、最高同時視聴者数は20万を超えていて、その結果多くの人がゲームの魅力を知ることになった。
Apex Legendsのリリース以降、特にこうしたオンライン対戦系のゲームはベータ版を大手配信者にプレイさせて、大衆に広く認知させる戦略がよくとられる傾向にある。
キードロップ戦略
Fall Guysでは使用されていないが、上記の戦術にキードロップ戦略を併用することが増えてきている。
キードロップ戦略:クローズドベータ版を体験する為のキーをTwitchの配信を視聴した者にランダムで配布する。最近では「VALORANT」や「Hyper Scape」が挙げられる。
つまり、オンライン対戦ゲームを人気にする為の一つの戦略としては、先行配信やベータ版を上手く使うことが挙げられる。
スキンへの課金
ガチャ課金から時代は変わり、今主流の課金システムはシーズンパス制とスキンの販売である。もっとも、シーズンパスを購入する目的もほとんど限定スキン目当てなので、スキンに多くの人は課金しているのだ。
Fall Guysはスキン課金にはうってつけのゲーム性であることも強みだ。
スキン課金に優れた要素
- キャラクターがシンプルであることやカスタムできるパーツが豊富なため、カスタマイズのしがいがある。
- 三人称視点や待機画面など、自分や他者のスキンを目にする機会が多いため、他者の上級スキンに憧れを持つことや自身のアイデンティティを表現したいという気持ちが高められる。
- 無課金でもある程度の種類のスキンが集められるので、より格好いいものや可愛いものに手を伸ばしてみたいと思いやすくなる。
広い層に受けるデザイン
日本ゲームに多いアニメ調でも、海外のアメコミ調でも、リアル調でもなく、シンプルで取っつきやすいデザインなので、デザイン面で敬遠される可能性が限りなく低い。
操作が単純
ゲームパッドはもちろんのこと、キーボード操作も「WASD」、「SHIFT」、「CTRL」「SPACE」しか使わず、ハードルは限りなく低い。
「プレイヤーネーム」非表示がデフォルト
ほとんどのゲームは匿名ではあるが、プレイヤーネームが常に表示されているので本質的には本名と変わらない。
私個人はそこに多少の息苦しさを感じていた。だから、「プレイヤーネーム」非表示がデフォルトであるFall guysの仕様は嬉しかった。
少しゲームに臨む気持ちのハードルが低くなり、より手軽に遊べる。
ちなみに簡単に表示することもできる。
バトルロワイヤルの復権
「PUBG」と「Fortnite」以降バトルロワイヤルが飽和状態となり、開発者側もプレイヤー側も少し熱が冷めていた。
このまま下降すると思われていたが、CoD「Warzone」が爆発的人気で、「Apex Legends」は日本で活気を取り戻し、UBIは「Hyper Scape」をリリースし、カジュアルなバトルロワイヤルの「Fall guys」が人気となるなど、再びバトルロワイヤル熱が高まっている。
今後の注目ポイント
- Nintendo Switchにも対応するのか??
- クロスプラットフォームに対応するのか?
- カスタムマッチは導入されるのか?
- 他タイトルとのコラボ
この4点を個人的には注目してこのタイトルを追っていこうと思う。
更にこの中でも重要だと感じる2点を少し詳しく記そう。
カスタムマッチの可能性
- 今流行りの配信メソッドである「大会配信」が可能となり、配信で人を集めることができる。また基本操作が簡単なので、FPSなどよりも参加への敷居も低い。
- イベントなどエンターテイメント寄りのeスポーツとして活用できる。eスポーツがカジュアル層を取り込み、パイの拡大するのに最適。
他タイトルとのコラボ
他タイトルとのコラボはスキンで収益を上げるには効果的な方法であることは、Fortniteが証明している。
「Fall Guys」で注目なのは、非常に斬新なTwitterの使い方でコラボを取り付けている点だ。現状では「Cyberpunk 2077」と「The Witcher」が濃厚だ。
いくつリツイートされたらコラボしてくれる?
1回でいいで。
1回リツイートされたらコラボしてくれるって!頼むからリツイートして!
オーマイガー!泣きそう!ウィッチャーとコラボ?!?!DM送ればいいの?!?!
一見ふざけているように見えるこのTwitterの使い方だが、プレイヤーが描いたスキンのアイデアを検討するなど、プレイヤーと一緒にゲームを作っていく意識を感じられる。
ペットのネズミを4匹飼っているから、デザインチームの最優先事項にしとく。ネズミ好きのために管理者権限を乱用するぜ。
リプライにはネズミを入れといてくれよ。
終わりに
この突如現れた新星が今後どのような影響を与えていくのか、注目していきたい!