配信技術研究所株式会社が「ESPORTS TIERS IN JAPAN 2019」を発表しました。
ラグビーでお馴染みになった「ティア」ですが、格付けと言えるものです。
日本国内のeスポーツティア発表は初です。全世界のティアと異なり、とても日本色が濃い結果となりました。
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ESPORTS TIERS IN JAPAN 2019
指標
直近12ヶ月(2018年11月〜2019年10月)の、日本発の公式・非公式大会のライブ配信の視聴時間を指標にしています。
ティアの区分
- Tier1: 視聴時間 1億分以上
- Tier2: 2千万分以上
- Tier3: 5百万分以上
Tier1
視聴時間が1億分以上のタイトルです。
年にすると190年以上です。大きすぎてよく分かりません。
リーグ・オブ・レジェンド – League of Legends
Tier1の中でもこのタイトルの視聴時間が飛び抜けて多く、Tier0を作っても良かったほどとのことです。
更に「リーグ・オブ・レジェンド」10周年感謝祭で多彩なジャンルのタイトルが発表されました。eスポーツシーンは Riot Games が中心になりそうな予感がします。
レインボーシックス シージ – Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
野良連合でお馴染み、ひたすらにストイックな虹6です。
作戦とコミュニケーションとテクニックが緻密に絡み合い、観戦していて一番面白いFPSです。(個人的な意見)
モンスターストライク スタジアム
いわゆる「モンスターストライク」と、eスポーツの競技タイトル「モンスターストライク スタジアム」は別物です。
大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL
みんな大好きスマブラです。
ちなみにEVO JAPAN 2020のメイントーナメント種目です。前回に続きEVO 2020にも入ると思います。
PLAYERUNKNOWN‘S BATTLEGROUNDS
フォートナイトとApex Legendsの後塵を拝したと思われたPUBGですが、全くそんなことはありませんでした。
Tier2
視聴時間が2,000万分以上のタイトルです。
年で38年以上です。
Call of Duty
CoDシリーズでひとまとめにしていると思われます。
STREET FIGHTER V ARCADE EDITION
てっきりTier1だと思っていました。
シャドウバース – Shadowverse
ハースのうんぬんと色々言われていますが、DCGというジャンルなのだから似て当然です。それに今はもう別物なゲームです。
国内にTCGを広めた功績は大きいと思います。
荒野行動
PUBGやフォトナ、CoDのモバイル版きっかけとなったと思われる。多分。
学生には本当に人気があります。
鉄拳7 – TEKKEN 7
パキスタンおそるべし。
EVO JAPAN 2020のメイントーナメント種目です。
スプラトゥーン2 – Splatoon 2
日本野球機構(NPB)が主催している「NPB eスポーツシリーズ」に採用されたことでも有名です。
どうしてNPB?とは思いましたが、しっかりeスポーツにコミットしている団体は好感度大です。
Tier3
視聴時間が500万分以上のタイトルです。
年で9年半です。
190年、38年、9年半と、ティア間でかなりの差があることが分かります。
Counter-Strike: Global Offensive
超名作「Half-Life」のMODから始まってもう20年です。本当に息が長い!
CS:GOと虹6は同じタクティカルFPSです。
ハースストーン – Hearthstone
弊社のメインなゲームです。
海外では人気なのですが、国内ではシャドバやライバルズに比べて知名度が低いのが悩みどころ。完成度高くて面白いんだけどな・・・。
週末のBlizzCon 2019でどんな発表がされるのか楽しみです。
ぷよぷよeスポーツ – Puyo Puyo eSports
今年の国体の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」で競技タイトルになりました。
Identity V
これはかなり意外でしたが、世界大会も開かれているんですね。
DbDもこんな風にやってほしいな。
大乱闘スマッシュブラザーズDX
EVO 2018のメイントーナメントゲームです。
GAMECUBEのタイトルが未だに現役ってすごいです。完成度の高さが分かりますね。
フォートナイト – Fortnite
てっきりTier1だと思っていました。
荒野行動は広告をバンバンうっていたけど、フォートナイトは全然少なかったからじゃないの?(弊社代表 談)
クラッシュ・ロワイヤル – CLASH ROYAL
海外で人気なesportsタイトルですが、国内でも人気ですね。
eスポーツ甲子園「STAGE:0」の採用タイトルです。
TEO PC GAMES IMPACT INDEX – Q2 2019’s Most Impactful PC Videogames
比較対象として「TEO PC GAMES IMPACT INDEX – Q2 2019 MOST RELEVANT PC VIDEOGAMES」をご紹介します。
これは2019年第2四半期の全世界でのeスポーツティアです。
指標
「ESPORTS TIERS IN JAPAN 2019」は、大会のライブ配信の視聴時間のみが指標でした。
こちらは以下の6つの指標を使い、ウェイトを決めています。
- 月間アクティブPCプレイヤー数(MONTHLY ACTIVE PC PLAYERS): 30%
- 賞金額(DISTRIBUTED WINNINGS): 25%
- eスポーツ配信の視聴時間(ESPORTS HOURS WATCHED): 20%
- ゲーム動画の視聴時間(HOURS WATCHED): 15%
- ライブ配信数(CONCURRENT STREAMS): 5%
- 大会数(NUMBER OF TOURNAMENTS): 5%
どちらが優れているというより、考え方の違いだと思います。
「ESPORTS TIERS IN JAPAN 2019」はeスポーツ大会数や関心度
「TEO PC GAMES IMPACT INDEX」はゲーム人気を含めた総合力
といったところでしょうか。
日本のeスポーツはやっぱりガラパゴス?
「ESPORTS TIERS IN JAPAN 2019」と「TEO PC GAMES IMPACT INDEX」のゲームタイトルにはかなりの違いがあることが分かります。
「ESPORTS TIERS IN JAPAN 2019」にはPC専用タイトルが「リーグ・オブ・レジェンド」と「Counter-Strike: Global Offensive」の2つしかなく、逆にスマホゲームが複数入っていることから分かるように、日本ではPCゲームはマイナーです。
日本のeスポーツはガラパゴスになりつつあると思います。
世界のトレンドに合わせるべきか?
個人的にはPCゲームに無理に合わせる必要はなく、独自に展開すればよいと思います。
馴染みのあるゲームでeスポーツプレイヤーを増やして、メディアへの露出を増やして、一般人に認知してもらって、大会を増やして、スポンサーがついてプロが生活できるようにして、とeスポーツのエコサイクルが回るようにするのが先なのではないでしょうか。
最後に
「ESPORTS TIERS IN JAPAN 2019」に対しては、「視聴時間」という指標の妥当性、データ元が未公開など異論は色々出ると思います。
ですが、どこかが行動を起こさなければ議論も何も始まりません。