先日問題となった石破氏の「あつまれ どうぶつの森」政治利用について、「ゲームの利用規約」と「ゲームの政治的利用」の2点を中心にとりあげる。
はじめに
今回は、石破自民党総裁候補が「あつまれ どうぶつの森」において、政治的キャンペーンを行った問題をとりあげる。
「ゲームの利用規約」と「ゲームの政治的利用」の2つの観点を元に進めようと思う。
違反した規約とは?
規約違反の恐れがあると多くのメディアで報じられているが、一体どの規約に引っかかったのかは明確に示されていない。
ニンテンドーネットワーク利用規約
第6条ユーザーコンテンツの取扱い
お客様は、ニンテンドーネットワーク機器対応ソフトウェアやサービス等に関連し、ニンテンドーネットワークを利用して、ユーザーコンテンツの共有または送受信等を行うことができます。ただし、当該ユーザーコンテンツの共有または送受信等が以下に該当する場合には、この限りではありません。
ニンテンドーネットワーク利用規約
15.政治的な主張を含むもの
多くの記事やSNSではこの規約に違反しているとされているが、誤りである。
この規約は「3DS」や「Wii U」に対応したものであり、「あつまれ どうぶつの森」の対象機種である「Nintendo Switch」の利用規約ではないからだ。
ニンテンドーアカウント利用規約
8. 禁止事項
お客様は、ニンテンドーアカウントサービスの利用にあたり、自ら(管理下にあるニンテンドーアカウントを保有するお客様を含みます。)または第三者をして以下の各号のいずれかに該当する行為、またそのおそれのある行為をしないものとします。
(20) 以下のいずれかに該当するユーザーコンテンツの共有または送信(ただし、当社が特別に許可したものを除きます。)
(b) 政治的または宗教的な主張を含むもの
ニンテンドーアカウント利用規約
違反したのはこの規約である。
ここで一つ興味深いのは「任天堂」が許可した場合は政治的利用も可能となる点だ。さすがに今回の件では許可するようになるとは思えないが。
海外のあつ森を使った政治活動
バイデン大統領候補のキャンペーン
「あつまれ どうぶつの森」を支持獲得に利用し始めたのはバイデン大統領候補である。石破自民党総裁候補もこれを参考にしていると思われる。
海外では規約が違うために違反ではないとされているが、実際のところはよく分かっていない。
香港デモ
香港のデモ組織は、「あつまれ どうぶつの森」「グランド・セフト・オートV」「ポケモンGO」「ティンダー」などゲームやアプリにまで政治活動を広げている。
筆者の見解
若者に政治に関心を持ってもらうように働きかけるということ自体は素晴らしいことだ。
だがこの手の動きには揉め事が付き物で、ゲームに厄介事を持ち込んでほしくはない。ゲームの第一意義はエンターテイメントであるはずなので、多くの人が楽しめないとゲームとして意味を成さないだろう。
だから私はゲームの政治的利用は好ましく思わない。
利用規約に関して
ゲームにおける利用規約で問題になっているのは政治においてだけではない。ゲーム配信における規約も問題となっている。
こうした規約違反が問題となる背景には、当人の確認不足もあるだろうが、規約の分かりづらさや見つけにくさも関係していると思う。
この記事では日本や世界の主要なゲーム会社が定める動画投稿・ライブ配信に関する利用規約をまとめている。ぜひ読んでみてほしい。
参考画像
アイキャッチの画像は上記の記事より引用。